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  各論
§6  林業
II  技術の現状と進歩の方向
3.  伐採―搬出の機械化

林業の機械化が組織的に推進されはじめたのは,終戦後企業特別会計として経営合理化を強く要請された国有林が,その資本力を動員して主として伐木運材関係の作業を機械化し,合理化をはかつたのにはじまる。一方民有林の機械化は,その大部分が零細な所有者である関係からなかなか進展しなかつた。最近,第2次産業の急速な発展に伴い農山村の労働力が減少し始めたことも相まつて,林業の機械化への要請は造林作業の機械化も含めて急に強まつてきている。
(1) 伐木作業

チェンソーが使われ出したのは,昭和28年頃からであり,29年には国産機が出現し,現在では外国機の性能とほとんど差がない。最近は生産性の向上,労力不足あるいは労働の軽減,所得向上等の有力な手段としてチェンソーによる伐木作業がめざましく発展し,36年度に輸入された外国機は約1万台を数えている。
(2) 集材作業

機械化のもつとも必要な部分として,主として集材機を中心にして行なわれてきた。戦後は高性能で軽量な集材機が製作されるにおよんで急速に普及し,現在では国有林2,200台,民有林2,000台余の集材機が使用されている。また従来難解であつた集材機に使用される架空索の張力許容荷重などの理論計算が定式化され,容易に実用に供されるに至り作業が安全になつた。

一方傾斜の少ない広い地形や平坦なところでは,トラクターを集材に使用して好結果を収めている。トラクター作業ではとくに伐採から集材まで一貫した作業系列の簡易化が可能なこと,また全幹集材が可能で,利用上は勿論造林上も好ましい集材方法であることから逐次普及してきている。
(3) 運材作業

索道の利用がますますさかんになつている。とくに標準簡易索道の設計がだされ,設計の標準化が行なわれた結果,一層広く使われ,現在全国で大小あわせて13,000ヵ所に上る架線が稼動している。また,運材には一般にトラックを用いることが多い。

国有林の軌道運材も次第にトラック運材へと移りつつある。

伐木運材作業の機械化については,以上のべたとおり相当の実績もあり,今後は細部の改良に問題が残されている,とくに架空索の疲労および摩耗の問題,曲線架索の方法,制動機の改良,運搬器の改良などを解明推進することが必要である。また同時に全体的視野から能率を増進させる方策,機械導入よる新らしい作業方法の確立が期待され,さらに林業では地形の関係で遠隔操作の望ましい場合が多いので,遠隔自動制禦による林業機械の出現等が待望される。

なお機械化の推進に欠くことのできない指導的技術者については,沼田営林署に設置された林業機械化技術指導施設により,国有林,民有林を通じて指導育成することになつている。またここを中心として新しい機械の導入や,機械を用いた場合の作業基準作成についての検討が進められている。

また民有林の機械化推進には,森林組合を中心としてわが国の大部分をしめる中小規模林業経営者の協業化による方向がうちだされ,公立林業技術普及センターが,技術指導に乗出している。


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