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  各論
§6  林業
II  技術の現状と進歩の方向
2.  短期育成林業

造林上の問題としては,現在の森林の状況と将来の木材需給との関係からも,また,農家所得の増大を期待する面からも,短期育成林業の要請が強い。これは新しい造林技術によつて,生産期間を短縮しようとするもので,外国早成樹の導入,林木育種,林地肥培および密植造林といつた手段が考えられている。これらの技術に健苗養成,植栽,保育,被害防除などの諸技術を合理的に組合せてはじめて,生産期間短縮の目的を達成しうるものであり,現在非常な努力が払われている。

たとえば育種については,精英樹選抜技術により全国的な規模で優良品種の選出がすすめられており,また林地肥培についても林木の養分吸収過程や施肥方法などについて検討が加えられている。局部的にはすでに早成樹の導入,林地肥培が実行に移されている。しかし,ある場所で林地施肥が大きな効果を現わし,また早成樹の生成が著しくても,類似の条件の場所ならともかく,それを大面積に用いたり,山岳林に植えたりする場合には,なお多くの解決しなければならない問題をはらんでいる。

密植造林はわが国では一部の有名な林業地で古くから実施されていたが,その理論の解明はこれまでなされなかつた。最近,大阪市大等で植物群落発展に関する基礎理論の研究が進められ,自然間引の法則,最終収量一定の法則等が明らかにされた。この理論は林学上に応用されて,林分特性曲線,管理曲線等の着想を産み,収獲表の調整,蓄積の計測,間伐方法,林分取扱方法等について定量的な新しい基準を与え,さらに東大,京大,大阪市大,北大,国策パルプの共同研究によつて密植造林に対する応用理論が確立されようとしている。


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