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  各論
§6  林業
I  林業をめぐる問題点
3.  供給構造の特質


(1)最近の木材価格高騰の主因の一つは,旺盛な木材需要の伸びに供給が追いつけないためであるが,このため連年過伐の状態が続き,森林蓄積は減少しつつある。 この点が供給を増大する上の重大な制約因子になつている。
(2)林業は基本的に土地所有に規定されている産業である上に,その生産期間がきわめて長年月にわたるために,企業的な産業への脱皮が困難なこと,また森林所有者の多くが資産の一部としてか,また農業のかたわら天然産物を伐り出す程度の意識でしか森林をみていないために,積極的林業経営が行われにくいことも,供給力を少からず制約している。
(3)森林の所有構造の異質性も問題である。 すなわち国有林,市町村有林,私有林などの所有形態が混在していること,私有林所有者では零細規模の所有者が多く(図6-2参照)したがつてその大部分が農業その他の事業にたずさわつていて林業を専業としていないため,各個のもつ山林に対する経済的意識が不明確であることがあげられる。
(4)造林地が700万ha余で全林野面積の約25%にすぎないことや,民有林関係における木材生産の機械化がおくれていること等,林業生産の立ちおくれも木材生産の増大を困難にしている。 ことに,ここ数年,第2次産業の異常な発展に伴つて,農山村の労務事情が悪化し,林業労労務者の確保が困難となつたことも大きな要因である。
(5)林業の経営,生産の行なわれる場である農山村社会経済の全般的な後進性も一つの特質である。

以上のような諸因子によつて,林産物の供給は円滑に行なわれていない。


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