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  各論
§6  林業
I  林業をめぐる問題点
2.  利用技術の動向

木材需要の増大や利用の形態の変化にともなつて,その利用の合理化に関する努力が続けられている。

(1)製材歩止りの向上

昭和35年度の製品生産量と原木消費量とを対比してみると,製品歩止りは針葉樹75%,広葉樹62%,全体で73%であつて,5年前の昭和31年度の針葉樹70%,広葉樹58%,全体で68%から毎年ほぼ1%づつ向上している。これは,原木に小径木がふえ,角材の製材がふえたという需要構造面の変化傾向のほかに,施設の合理化や技術の向上が大きな要因をなしていると思われる。

(2)木材の集約的利用

パルプ工業は従来原料としては主に針葉樹に依存してきたが,原木事情の逼迫を解決するために,クラフト法の技術を研究発展させて広葉樹材利用への道を開き,さらに廃材チップの利用へと向つている。

また製材に向く形質優良な大径木が乏しくなつたことも一因となつて低級丸太等を原料として発展してきた繊維板や削片板の利用は,急速に増大している。

(3)木材糖化

低質広葉樹は有利な利用法がないため,相当の蓄積が放置されており,また,林地に放置される廃材や工場の廃材もかなりな量に達している。木材糖化工業はこのような原料を対象に,木材成分を完全に利用しようとするものであり,一次製品加工によつて生産されるいろいろな製品を食品工業,化学工業,醗酵工業などの原料に活用することをねらいとしている。北海道立林業指導所は,各分野の共同研究をすすめ,北海道法として濃硫酸法の独自の工程を確立し,工業化の見とおしをうるまでに到つている。ただし,主要反応についての基礎研究はほぼ終つているものの,工業化については残された問題が多く,さらに多種類の生産物の完全利用のために,広い分野の共同研究の推進が必要である。

(4)リグニンの利用

リグニンは木材成分の約25%を占めているにもかかわらず,現在パルプ工業,その他の廃物として,ほとんど利用されずにすてられている。木材成分の完全利用という資源の有効利用の見地からはもちろん,工場廃水処理,さらに自由化に備えてパルプ生産費を低下するためにも,リグニンの利用を真剣に考慮すべき時期にきている。しかし,リグニン本体の化学構造がまだ究明されていないので,これに努力が集中されている。現在は燃料として用いられているほかに粘結剤,充填材,土壌改良剤,合成樹脂,硬質繊維板,鞣皮剤,活性炭などにわずかに利用の道が開かれようとしており,さらにバリニン,液状油,セメントの分散剤に活用する研究が進められている。


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