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  各論
§5  農業
III  農業技術の新しい萠芽
2.  園芸振興と技術

果実,やさい等の園芸農業も畜産にならぶ成長部門であり,最近の需要の増加にともなつて生産量が急速に高まつており,所得倍増計画では45年度の果実生産額は35年度実績の約1.6倍を見込んでいる。

果樹については,需要の急増に対応して増植の気運が各地においてきわめて旺盛であるが,長期にわたり果樹経営の安定発展をはかるためには,適地における計画的拡大,集団化,機械化等の省力技術の普及助長をはかる必要がある。

野菜については,加工需要の増大に即応して種類,品種の転換をはかること,また,生食野菜については生産の周年化その他により生産の計画的調整をはかることが問題になつている。

果樹に関する最近の技術の発達で注目すべき農村内部の動きは,病虫害防除を中心として共同化の技術が進んできていることである。果樹の代表的なものは東日本のりんご,西日本のみかんであり,この両者で果樹作面積の56%を占めているので,これらについて述べよう。

りんごについては,スピードスプレーヤの共同利用を中心とした共同化が進んでいる。これは,昭和33年長野県小布施町の54人のりんご作農家が2台のスピードスプレーヤを入れて共同防除をはじめたのが最初で,これにより防除費は半減し,また病虫害防除が徹底的に行なわれて品質はいちぢるしく向上した。その後スピードスプレーヤの普及はいちぢるしく,現在東北,中部等の地方に数十台入つているとみられるが農林省でもりんごについては,スピードスプレーヤを中心とするりんご作合理化を期し,現在園芸試験場でその試験研究を行なうとともに,農家の圃場でも実験するため,果樹園芸経営改善促進実験集落を設置している。

みかん園については,りんごに比し傾斜地が多く,スピードスプレーヤ方式は発展しないが,集団地において定置配管による薬剤の共同撒布が注目されている。これは,靜岡県庵原村が4部落463戸のみかん作農家141ヘクタールにつき共同配管を行ない一斉防除を行なつて以来,全国に普及し,さらに発展して愛媛県立間農業協同組合のような農業法人の形態も出て話題になつたことは記憶に新しい。

そのほか,果樹の栽培に関する技術では機械利用に適した果樹の仕立方,土壌管理の合理化のための草生栽培,合理的施肥,スプリンクラーによる灌水,無袋栽培等,資本集約,労働節約的な技術が問題になつている。また,生産性の高い品種の育成,病虫害防止のための発生予察技術の確立等も重要である。


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