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  各論
§4  電子技術
III  電子技術における研究活動と問題点
1.  電子技術に対する研究投資

電子技術はその進歩がはやく,新らしい物理現象の発見が容易に技術と結びつくので,研究活動が技術の進歩にもたらす成果は他の分野の技術に比して大きく,したがつて研究活動の重要性も大きいといえる。

表4-7 主要な国公立研究機関の電子技術 関係,研究費と技術者数(昭和35 年度末現在)

昭和34年度の電子技術に関する研究投資額を抽出したものを 表4-8 および 表4-9 に示す。

表4-8 売上高と研究投資額

表4-9 投資者別研究投資額

この表における製造業,運輸通信公益業のうち電子技術関係分としては,通信,電気計測器の各工業および通信,放送業の事業体の研究投資額(人件費を含む)をとつた。

米国においては,全米科学財団(NSF)が労働統計局と共同で研究活動調査を行なつているが,この昭和31年,昭和34年の調査結果から電子技術に関するものを 表4-10 に掲げる。

これらの表から日,米の研究投資を比較すると,わが国の売上高に対する研究費の比率は,製造業,運輸,j通信公益業の全体で0.1%であり,電子関係分のみで3.2%はであるのに対して,米国では産業全体では2.9%,電子技術関係のみでは2.8%(1956年)である。この比率でみるとわが国は他産業に比較して電子技術には相当の努力をはらつていることがわかる。しかし,研究費の絶対額についてみると,わが国の約160億円に対して米国では約4,460億円と桁ちがいに大きい。研究活動では比率よりも絶対額が問題になるので研究投資額の増大が望まれる。とくに研究資金の出所をみると,わが国の政府支出は電子技術研究投資合計額(約188億円)の10%にみたず,米国の産業に対する政府支出の比率,約60%に比して微々たるものである。米国では 表4-10 に示すとおり,多くの分野において電子技術の研究が行なわれており,わが国にはない航空機兵器などの分野における電子技術の研究が多額を占めることも政府支出が多い原因であるが,これを考慮してもなお,政府支出はわが国とは比較にならぬ程大きい。わが国では,国の努力する余地が大きいといえよう。

表4-10 米国における研究開発費

表4-11 米国における電子技術応用研究費および開発費


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