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  各論
§2  原子力
II  開発利用の現状
4.  核燃料



(1) 核燃料の確保

核燃料の確保とその利用技術の進歩は,原子力開発において重要な要素となつている。さらに,この問題の解決は,原子炉の開発と密接な関係をもち,在来動力源との競合上に大きな意味をもつている。

わが国では,天然ウランを用いるコールダーホール改良型原子炉の導入が考慮された頃から,旧長期計画の線にしたがつて,ウラン資源の確保をめざして,探鉱が開始された。通産省地質調査所では,昭和37年度までに20万平方km(日本全面積の約1/2)を目標にエヤーボン,カーボーン等による概査を行なつており,原子燃料公社は有望地域の精査,探鉱を進めている。現在,最も有望視されている人形峠および東郷地域附近の鉱石は,比較的精錬しやすい性質をもち,平均品位約0.07%(U3O8)で,埋蔵量は242万トンと推定されている。

一方,外国の天然ウラン供給能力は, 図2-4 に示すように著しく増加し,生産量は31年の1万4,000トンから35年は4万4,000トンに増加し,需給関係をみるとここ10年間は生産過剰状態が続くと推定されている。したがつて,価格もこの事情を反映して,3年前の1ポンド当り12ドル(U3O8)から最近ではその1/2以下の価格もみられるようになつた。

原子力発電炉開発技術の上からみると,原子力発電炉としては熱効率上昇の容易な濃縮燃料の使用も大いに注目しなければならない。濃縮ウランの供給は現在主として米国の大規模な生産施設に依存しており,わが国で今後原子力発電を進めていくに当つてもその長期確保がきわめて重要な課題としてとりあげられ,対外的に濃縮ウラン確保の努力を続けるとともに,国内的にもウラン濃縮の研究およびプルトニウムの有効利用研究などに着手している。

図2-4 自由世界のウラン需給予想

わが国の現在の核燃料の需要量は, 表2-1 の燃料の欄にみられるように比較的少ないが,将来発電炉の建設が進められると,かなりの量に達するとみられ,新長期計画では,55年で年間数千トン(天然ウラン換算)と推定されている。
(2) 利用技術の開発

原子燃料公社では,国内ウラン鉱の試験採掘,低品位鉱製錬などの研究を進めるとともにウラン精鉱からの精製錬技術の向上につとめており,精製中間試験工場によつて,国産原子炉第1号のJRR-3の燃料として初期装荷量7トンのうち4トンの地金の生産を行なつた。原子力研究所では,主にJRR-3燃料を対象にウラン加工技術の開発研究を行なつてきた。また,民間企業においては,独自の立場から将来性のある原子炉型を想定して,精錬から燃料体加工に至る広範な研究をすすめ,政府補助金の交付をうけて天然ウラン系,二酸化ウラン系,炭化ウラン系等燃料体の製造に関する研究に力を注ぎ,国産化への道を開拓しつつある。

一方,使用済燃料の再処理については,将来の原子力の発展に大きな意味をもつので,原子力研究所および原子燃料公社で,調査研究が行なわれている。


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