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  各論
§2  原子力
II  開発利用の現状
3.  原子力船



(1) 海外の状況

原子炉が船舶推進動力源として利用できることは,すでに多くの原子力潜水艦の実績によつて証明されているが,原子力商船として経済的に在来船と競争できるようになるには,まだかなりの時間が必要とみられている。

しかし,実際には,ソ連の砕氷船レーニン号(排水量16,000トン)は34年12月の進水以来2年半にわたつて順調な運航実績を示しており,さらに37年4月には米国の貨客船サバンナ号(排水量21,850トン)が試験航海に成功し,原子力船時代にさしかかつた感じを深めている。

欧州諸国の間でも原子力船の研究開発を欧州原子力機関およびユーラトムを通じて共同ですすめる努力がはらわれており,現在は主として設計研究の段階であるが,共同で実験船をつくる計画も討議されている。
(2) わが国の現状

原子力船の研究開発は,主に運輸省運輸技術研究所および原子力船研究協会などによつて行なわれ,36年度までに,政府は約3億2,000万円(運輸技術研究所約2億円,政府補助金委託費約1億2,000万円)を支出した。この分野においては,搭載原子炉の集中荷重による動揺加速度の測定実験,各種振動による共振防止研究,衝突などの事故時におけるコンテナーと船体の一体化に関する研究などの船体構造に関する研究,原子力船に固有な遮蔽体の研究が行なわれている。さらに37年度には,遮蔽体の研究のために原子力研究所にJRR-4の建設が決定された。

36年2月に発表された新長期計画においては,わが国が世界の主要造船国としておくれをとらないように,この前期研究開発段階に原子力船1隻を建造し,原子力船建造技術の確立,運航技術の習熟,技術者および乗組員の養成訓練などを行なうことを決定した。この長期計画の構想をうけ,原子力委員会の専門部会は37年6月にわが国の原子力第1船の(総トン数6,350トン)について観測船の建造を答申している。


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