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  各論
§I  新科学領域
IV  分子レベルの生物科学
1.  遺伝

昭和27年ハーシー等は,染色体内にあるDNA(ジオキシリボ核酸)によつて遺伝情報がつたえられることを発見し,昭和28年には,ワトソン,クリツクがX線回析によりDNAの2重ラセンの立体構造を明らかにした。すなわちDNAはアデニン,グアニン,シトシン,チミンの4種のヌクレオチドがある順序で約1,000(分子量で約50万)位鎖状につながり,アデニンとチミン,グアニンとシトシンがそれぞれ向き合う2重ラセンになつている。そして遺伝複製に際してはまず2本のラセンが別々に分離し,それぞれが鋳型となり相手となる他の1本をつくり,2本のもとと全く同じDNAが複製されることが判明した。そこでここ数年の研究はDNAが20種類のアミノ酸を一定の仕方で結合し,個有の蛋白質をつくり上げることにより,遺伝情報を発現させる機構の解明にむけられた。今日まだ完全に解明されてはいないが,RNAはまず1本のラセンからなるメッセンジャーRNA(リボ核酸)をつくり,これがDNAと蛋白質からなる20ミリミクロン位の顆粒であるリボゾームと結合して酵素をつくり,さらに各アミノ酸と結合した別のS-RNAが運ばれてきて蛋白顆粒の上でアミノ酸の選択配列と立体構造が組立てられていくという大筋が判明するに至つた。

わが国では昭和36年から分子生物学研究グループが結成され,大阪,名古屋,京都大学などを中心に活発な共同研究を行ない,情報発現制御,DNA-RNA経路の研究などが発表されている。


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