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  各論
§I  新科学領域
II  宇宙空間の研究開発
2.  宇宙空間の研究開発と関連分野

宇宙空間の研究開発は非常に広い範囲の科学技術の総合によつてはじめて遂行されるものである。直接の関連分野だけあげても 図1-4 のようになる。

とくにロケットや飛しよう体の工学,通信,計測,遠隔制御に関する電子工学,ロケット燃料や耐熱材料,さらにこれらを総合的に組織するための体系工学は,いずれも今日の科学技術全般にとつても,最も重要なものである。セラミツク,太陽電池,熱電素子の開発,電子装置や化学電池の小型化,高感度高信頼性などに重要な関係をもつマイクロモジュール化,など他の分野への応用にとつてもきわめて重要な技術開発がみな宇宙開発と関連して推進されている。したがつて,宇宙空間の研究開発で国際協力の一翼をになえるということは,一般的なこれらの重要技術の国際競争力についても世界的な水準にあることを意味する。

宇宙に関する研究開発費は一見高価で,産業に役立たない無駄のようにみえるが,そのほとんどすべては明日の一般技術の研究開発に多くの関係をもつ経費である。 表1-1 のように米国は7,000億円以上の研究費を軍事用ミサイル研究のほかに支出しているが,決してこれを地球の外に捨てているわけではなくてその大部分は新材料やエレクトロニクスの開発に使われているのである。欧州諸国も 表2-2 に示すように欧州宇宙開発機構を設け,5ヵ年計画で700億円の経費を各国が分担して開発を進めている。今日技術の進歩は非常に早く既存技術の改良は日ごとに行なわれているといつても過言でない状況なので,既存技術の改良のみに頼つていては,たちまち追い越されてしまう。

図1-4 宇宙空間研究と主要な関連分野

したがつて,明日の技術の国際競争にそなえる実力は,既存技術の改良よりもむしろ宇宙研究などに関連した画期的な新技術の開発によつて培かわれているともいえる。宇宙開発の分野で進歩が記録されるということは,広範囲な関連技術の分野で,大きな総合的な技術進歩が達成されたことを意味する。この意味でも宇宙開発は科学技術のフロンテイアとしてとくに重視しなければならないといえるであろう。


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