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第II部  科学技術発展の基盤
第2章  人材養成
VI  理科教育の振興

科学技術者,技能者を確保し,またその資質の向上を期待するためには,一般教養の向上をはかることが必要である。すなわち,これによつて豊かな科学技術の教養をもつ広範な国民の層の中から,優秀な科学技術者や技能者が生まれ,また国民が科学技術と経済社会との関連をより一層適確に把握することによつて,科学技術者などの社会における諸活動を容易にすることができる。そしてこれがためには,義務教育の振興が重大な要素となる。昭和36年度からの小学校,同じく37年度からの中学校における教育課程の全面的改訂に,その基本的方針の一つとして「科学技術教育の向上」があげられているのもこの意味によるものである。

しかしながら,このような改訂の趣旨を十分に活かすためには,現在における教育条件の水準をより高めることが先決問題であろう。ところが,現在における理科教室の姿は,その学級規模の点においても,あるいは理科施設設備についても足らないところが少なくない。とくに後者については,,初等教育では理科教室さえ欠くものがその半ばをしめ,設備についても理科教育設備基準に対する充足度はきわめて低く,カリキユラムに対してその半ば以上の実験が可能なものが全国で半数にもみたないとさえいわれる( 表II-2-13 , 図II-2-7 )。

このような状態では実験観察的方法による理科教育の振興はのぞみ難く,いわゆる「黒板理科」の弊に陥る危険性がある。たとえば,昭和31年以来行なわれた全国学力調査に表われた学力水準についても高等学校は物理,化学,生物,地学のいずれの科目も期待水準に達しておらず,とくに自然現象や自然法則に関する知識を組み合わせて理論的に考える能力が劣つており,また物理領域における知識,理解は不十分であるとされている。

表II-2-13 理科教室等保有別学校

図II-2-7 公立学校の理科教育設備の現有率

また,理科教員の需給,あるいはその質についても多くの問題をかかえている( 表II-2-14 , 15参照 )。

また,昭和37年4月から発足した中学校における技術家庭科は,科学技術教育の振興と進路,特性に応じた教育の充実をはかるために新設されたものであるが,現状では,その専用教室をもつものは3分の1にすぎず,また教員についても理工学専攻者が,10%にもみたぬ状態である。今後は,理数系教員の質の向上,ならびに実験実習設備の充実などについて早急な改善がはかられねばならない。

表II-2-14 理科担任教員および実習助手等数

表II-2-15 理科担任教員数別学校数


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