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第3部   部門別に見た技術の動向
第12章  医療衛生部門
3  医療技術(医術)
(3)  医薬品等の生産

わが国における医薬品の生産は,生産機構の近代化,新技術の導入等によって昭和26年以降しだいに生産量が増加した。すなわち,26年400億円であったものが,31年には年間総生産額が1,000億円台に達している。品目別生産額のうち昭和31年における主なものは総合ビタミン剤の46億円,ついでストレプトマイシン,クロラムフェニコールなど抗生物質の30億円台,パスの20億円台等である。輸出は,わずかに総合ビタミン剤の約9億をはしめとして,家庭薬,サルファ剤,抗生物質(ストレプトマイシン,ペニシリン)等がこれについで,総計15億円程度である。技術水準の高いのに比して輸出不振であるのは,原料の割高がその原因であるといわれている。

医薬品は,医療および予防の両面に,その担う役割は大きい。したがって既存の医薬品とくに抗生物質,生物学的製剤等の改良研究がつづけられていると同時に,わが国独自の研究生産の面もしだいに活発となってきている。すなわち,本世紀当初の秦・エールリッヒのサルバルサン,高峰のタヵジアスターゼ,永井のエフエドリン等の創製は別として,最近におけるザルコマイシン(梅沢),トリコマイシン(細谷),ロイコマイシン(秦),グラミシジン(大谷)等の抗生物質やナイトロミン(石舘)の出現は,わが国の技術を世界に誇示するものであり,またすでに臨床実験の段階に到達しているものにもカナマイシン(梅沢),ミクソビロマイシン(黒屋),プラストサイジン(住木)等数多くのものが報告されている。このほか,酵素化学の最近の進展による新医薬品の生産研究が注目されている。

医薬品のうち特定の品目については,国家検定が行われ,検定技術の向上にも特別の努力が払われている。

なお,医療機械の分野においても最新の理化学上の知見を導入して各種精密機器の改良研究がつづけられ,また整形外科材料,歯科材料等についても非常な進歩がみられている。


* 諸外国の状況は,ニュージランド(1,263),フランス(1,113),英国(1,085)西独(1,020),米国(990)-(いずれも1953年度)である。

375,376ページの各数字は,「厚生の指標,昭和32年度」によるもの。


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