ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   部門別に見た技術の動向
第11章  通信
2  通信サービスの向上
(5)  通信の質の品向上,

通信の利用が多くなれば当然,量やスピードの要求のほかに信頼性に対する要求がますますきびしくなってくる。質の向上はもちろんその設備の品質によってきまるが,これは設備を構成する多数の部品の安定度を高める生産技術上の材料を中心とする進歩が基礎となり,それを高品質のままに維持し能率的に運用してゆく保全面の改善が必要になってくる。この意味では設備生産における管理技術と通信サービスの生産プラントとも考えられる大量の通信設備を能率的かつ,経済的に保全してゆくための管理技術の役割は大きく,いずれの場合にも戦後採用された統計的品質管理技術の意義が見出されつつある。

こゝ数年間の公衆通信の信頼度を障害発生率からみれば, 図3.44 のように設備の近代化とこれら保全技術改善の効果がみられる。

図3.44 公衆通信の信頼度の向上

またマイクロ波方式の事故率が先に完成した東京―大阪間のものより,最新技術による東京―札幌間のものが1桁少いといわれていることも,新技術による信頼度の向上例とみられる。

昭和31年9月に開始された国際テレックスサービスに先だって国産のARQ(自動誤字訂正装量)が完成され,誤字発生率は1/100に低下し国際的な結合が支障なく実施された。また従来事故の多かった放送業務でも,部品の改善や保守方法の改良により,昭和24年の事故率の8%にも減少している。以上の例にみられるように,こく数年の間にわが国の通信の信頼度の向上は相当に顕著である。

電話の通話品質は戦後の4号電話機の出現により飛躍的に向上し,すでに自動式では85%,共電・磁石式では20%の普及率をしめし,さらに旧式電話機の4号化が進められている。

電話回線の品質評価は,AEN(明瞭度等価減衰量)という周波帯域や妨害雑音の関係も含めた合理的な国際基準で行われるようになり,電話回線の品質評価も伝送ひずみを尺度とする測定器の実用化により合理的管理に移っている。

放送の音質はスタジオ設計,マイクロホンの進歩と中継線の広帯域化によりいぢじるく改善され,さらに立体放送,広帯域放送など新しいこころみがみられ,近く開始される超短波によるFM(周波数変調)放送により,その特長とする音質のよい放送が期待される。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ