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第3部   部門別に見た技術の動向
第8章  化学工業
  紙パルプ工業
2  紙

紙の生産は,現在戦前の最高を上廻るとともにさらに輸出をも行っているがしかし,国民1人当りの紙消費量では米国の1/10の程度で,この点からして今後の文化水準の向上とともにいっそう伸びるべき性格をもっていえる。

製造設備についてみると,老朽化設備が多く,とくに叩解部門は,ほとんどが非連続作業を行っている。抄紙部門も機械メーカーが中小企業経営であり,技術的にかなりおくれている。しかし,両工程とも最近外国との技術提携により近代化される傾向にある。仕上設備は,比較的僅少な資金で近代化可能なため,高速度スーパーキャレンダー,クロスカッター等の新鋭設備がとりいれられている。

208インチワイヤパート

品質的には,ちり等は少くなり,強度も増加している。ただ白色度については,必要以上に要求されることが往々にしてあり,その限界が問題になっている。全般的には,品質の一定化がもっとも要望され,伸縮をなくすためのシーズニング等が考慮されている。また加工紙については,合成樹脂の塗装により強度,耐湿度を向上させることが研究されている。

品種別の技術動向では,新聞用紙におけるニュースマシンの大型新鋭化,印刷用紙における抄紙機の改良が設備面で注目される。板紙では非能率な段ボール原紙用丸網抄合せ抄紙機に代る長網式抄紙機が研究されている。アート紙については,印刷技術の進歩につれて,アート紙に対してもこれに適合する品質を要求するようになり,表面強度,機械的性質,印刷インキに対する適合性等の面で大いに改良され,技術的にも,マシンコーテング(M.C.),キャステングコーテング等いちじるしく進歩したが,大勢的には戦時中の空白をとりもどした程度である。


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