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第3部   部門別に見た技術の動向
第8章  化学工業
  紙パルプ工業
1  パルプ



(1) 概況

わが国のパルプ工業は,その主原料たる原木を北海道,樺太産のえぞ松,とど松に依存して発達してきたが,その後,内地産の赤松を使用しはじめ,近年は晒クラフト法,セミケミカル法の増設にみられるごとく,広葉樹の利用が積極化しつつある。品種別の生産実績は, 図3.38 のとおりで,クラフト法の伸びは,原木事情もさることながら,漂白技術の進歩により,晒パルプとしての需要を開拓したことに大きな原因がある。

図3.38 品種別パルプ生産高の推移


(2) 技術動向

原木処理関係では,広葉樹の利用増大にともない,従来のドラムバーカに代って,スエーデンから輸入したアンダーソン式切削バーカ,キャンビオバーカ等の新鋭バーカがとり入れられ,チッパにおけるノーマン型,チップスクリーンにおけるサムナ型,アリスチャルマ型,汽車製造型等の設置と相まって,原木処理工程は近代化しつつある。

砕木法では,従来のポケットグラインダに代りカミャ式等の新鋭大型装置が全体の20%を占めるにいたったことと,化学的処理法を併用するケミグランド法(CGP)の企業化計画が進んでいることが注目される。

サルファイト法でも,広葉樹,雑木の処理方法の研究がすすみ,昭和26年の広葉樹利用率2.8%に比し,31年には15%となっている。製品面では,昭和29年のアセテート用高アルファサルファイトパルプ(α-セルローズ96%)の企業化が注目に値する。

クラフト法の近年の伸展は,技術的には,昭和26〜27年における″多段漂白法による高白色度晒クラフトパルプの量産化″および″溶解用(ビスコース用)サルフェートパルプの製造″の成功に起因している。広葉樹を利用する方法としては,ほかにセミケミカル法,ケミグランド法等があるが,いかなる広葉樹を原料としてもつねに高品質の製紙用晒パルプあるいは溶解用パルプを有利に生産しうる点でクラフト法がもっともすぐれている。ただ,漂白法については,二酸化塩素漂白法その他についていっそう研究しなければならない。

セミケミカル法もクラフト法同様将来が期待されているが,原木についてはいかなる樹種でもこなせるように蒸解,漂白,叩解,抄造の研究を行わなければならない。なお,広葉樹にもっとも適した中性亜硫酸ソーダ法(NSC)についても,亜硫酸ソーダの供給確保を考えねばならない。設備的には,バッチ式から連続式にきりかわりつつあるのが注目される。


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