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第3部   部門別に見た技術の動向
第8章  化学工業
  窯業

窯業は,全般的にどちらかといえば基礎産業的性格をもち,そのため,たとえば耐火物の如く,その技術水準如何が他部門の技術水準を大きく支配するにもかかわらず,窯業技術はいわば地味な,盲点的存在であったといえよう。

しかるに,いまや窯業技術は檜舞台に立ち,華かな脚光を浴びている。従来は窯業という言葉は″珪酸塩鉱物,炭素を原料とする高熱工業″というふうに説明されてきているが,革新的に急速度に進歩する技術は,この分野においても例外でなく,ことに窯業材料では,炭化物,硼化物,珪化物,窒化物などの超高温材料が開発され,さらにこれらの非金属材料との焼結複合体が超硬耐熱材料として出現し,窯業の分野は大きく拡大しつつある。

さらに窯業技術は,原子力開発との関連において重要な地位を占めている。

減速剤として黒鉛,反射材としての黒鉛,B4C,BeO,BeC,Be化合物,遮蔽物としてのコンクリートのほか,最近では,炉の本体にセラミック燃料,サーメット燃料等の使用の研究が行われており,原子力発展のかぎの1つが窯業技術いかんにあるといえる。

ひるがえって,わが国の窯業技術を概観しょう。全般を通ずる特徴は,品質的には,かなり高い水準を維持しているものの,生産性の面では,欧米先進国に比して格段に低い水準にあるということであり,さらに細かくみると,大企業で構成されているセメント,ガラス工業は技術的に高水準にあるが,陶磁器,耐火物など中小企業の比率の高い分野は低水準にあるといえる。窯業における生成反応は,高温下の固体反応であるため,飛躍的な品質の向上,新製品の開発の機会は比較的少いが,それでも,基礎材料としての前述の世界的動向を反映して,各種耐火物,グラスライニング,不浸透炭素,セラミック工具,チタン系高誘電体,強磁性材料,原子炉用窯業材料等の面において着実な進歩がみられる。

技術内容的な動向では,第1に燃焼技術の進歩があげられる。窯業はことにコスト中に占める燃料費の比率の高い部門であるので,戦後熱管理技術の向上に異常に努力したが,この結果焼成技術はいちじるしく改善され,とくに炉の燃焼を自動制御する方式を採用する部門が急速に増加している。このほか,粉砕,混合,成形等の原料処理技術,炉寿命の延長,焼成温度の上昇等にみられる,窯炉技術の進歩が最近の主な特微である。


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