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第3部   部門別に見た技術の動向
第6章  機械工業
3  機械工業における技術進歩の動向
(2)  機械用材料

戦後の機械用材料としては,高級鋳鉄や滲炭鋼,および耐熱,耐食性に富む低合金鋳鉄をはじめ,強度,耐磨耗,耐衡撃,被切削性などにすぐれた鋼,特殊鋼,合金などが一般機械用材料として普及し,また高級ステンレス鋼,特殊ニッケル合金,耐食性アルミニウム,あるいはクラッド,ライニングの複合材料 * が,苛酷な条件下で耐熱,耐食性を要求される化学装置材料としで登場してきた。このほか,ゲルマニウム,シリコンなどの半導体;タンクステン,ニッケル系の電極材料;珪素鋼帯,フェライトなどの磁性材料;合成樹脂の絶縁材料などが,電子管や電気機器用材科,としてめざましい発達を示した。さらに,構造用材料として,チタン,ジルコニウム,ベリリウムが実用化している。

これらの材料は,おのおのの材質が優秀であることはもちろん,製品が次第に複雑,高性能なものとなるにしたがい,構成材料ρ均質性確保ということがとくに重要な意義をもつようになり,この点に関する要請はさわめて高くなってきた。

また機械用材料として合成樹脂が急速に進出してきたことも注目に値いすることである。珪素樹脂,ポリエチレン,ポリスチロール,尿素樹脂などはおのおの耐熱,耐食性,耐水性,低損失,耐孤性,熱可塑性,加工の容易さなどといった面で,それぞれにすぐれた性質をもつ絶縁材料として電気機器の小型軽量化や耐久性をもたせることに貢けんし,弗素樹脂はそのすぐれた耐磨,耐熱,耐食性によって化学工業用パッキング材,軸受などに利用され,または,リエステル樹脂も航空機用材料としてすでに広く利用されており,車両,船舶,その他構造用材料としての用途に嘱望されている,このほか電気部品,成型品,パイプ用などに数多くの合成樹脂が利用され,機械用材料としての地位を高めつつある。

このような材料の進歩は科学からの展開にもとづいてとことが多い。合成樹脂材料が高分子化学の所産であることはいうまでもないが,最近における金属材料のいちじるしい進歩は物性論の研究に負うところが大きい。高純度金属の研究はチタン,ジルコニウム,その他の新合金をうみ,高純度の亜鉛やアルミニウムに新しい性質を発見して,すぐれた新材料として再登場させるといった貢けんを示している。アイソトープを用いて金属材料,合成樹脂に放射線をあてることにより,これら材料の耐熱,耐食性や硬度を増す研究も,最近における材料技術のいちじるしい進歩をもたらしている。

金属材料の研究はまた金属加工に新生面をひらき,鋳造,各種塑性加工,焼結成型,熱処理,溶接,表面処理などに新しい技術をもたらし,さらにそれぞれの金属を機械用材料として,もっとも良い条件で用いるといった面でも加工技術に寄与してきた。


* たとえば電子管のアルミクラッドやパイプ,タンクのグラスライニングなど,2種以上の材料を被覆または張合わせた材料


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