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第3部   部門別に見た技術の動向
第6章  機械工業
1  戦後における世界機械工業のすう勢

機械工業は数多くの消費財を生産するとともに,すべての産業に生産設備を供給する資本財工業である。

金属工業,化学工業,運輸,通信,その他あらゆる産業は,その技術的基盤を機械工業に依存するところがはなはだ大きい。とくに最近の各分野におけるめざましい科学技術上の発明,発見も,すべて機械工業の提供する技術手段によって,はじめて各産業に導入されるものであることを考えると,一国の機械工業力は産業発展の原動力として国力を反映し,機械工業の技術水準はその国全産業の技術水準の指標であるということができる。

第2次大戦後,機械工業の地位はいわゆる技術革新によって,技術的にも経済的にもとくに重要なものとなった。すなわち戦後,生産工程の自動化,連続化に関する技術が急速に進歩し,多くの産業においていわゆるオートメーションとして実施されるようになったため,自動機械やオートメーション設備,装置など高度の技術を必要とする資本財に大きな需要がおこったこと,および多くの新技術,新産業が展用開たため,新しい資本財需要が発生し,さらに急速な経済発展にともなう生産性向上や雇用増大が,広い階層の所得水準を向上させ,自動車,家庭用機器などの耐久消費財に対する旺盛な需要をよびおこしたため,消費財そのものの生産と資本財生産が活発になったことなどによるものである。

また戦後の世界経済の顕著な動向である「後進国の工業化」は,先進国の機械工業に大きな資本財の輸出市場を与えることになったが,「機械の輸出は技術の輸出」といわれるほど技術的ウエイトの高いものだけに,輸出産業として発展する過程において,国際競争からくる刺げきが各国機械工業の技術進歩をいちじるしく促すことになった。こうして先進諸国の機械工業は,国内に対する消費財,資本財の供給者としてはもちろん,海外に対する供給者,すなわち輸出産業としての地位を急速に高め,技術的にも経済的にも重化学工業化の主柱として重要な役割を担うようになった。


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