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第3部   部門別に見た技術の動向
第5章  金属工業
1  鉄鋼
(4)  今後の発展方向

以上述べたように,わが国の製鉄技術は外国技術導入に依存しつつも,戦後今日までに先進国の技術と足並みをそろえるまでに発展してきた。今後さらに各部門にわたって,現在到達した高水準の技術を全体に普及するためには,さらに設備投資が必要となっている。

一方世界的にも,わが国と同様に設備の新設改造において,その大型化,複雑化が進み,オートメーションの進歩と相まって,生産性は急激に上昇したがこのような技術の発展は巨大な投資を必要とするようになってきた。このため今後資本節約的な技術進歩に対する努力がいちじるしく要求されるようになるであろう。すでに,諸外国ではこのような新技術が登場しはじめている。少額の追加投資で,既存高炉の能率化をはかる高圧操業法;送風中へ酸素や,水蒸気を添加する新しい高炉操業法;高価な分塊圧延設備を必要とせず,効率的な小規模生産を可能にする鋼塊の連続鋳造法;鋼塊鋳造工程を必要としない溶鋼からの直接ストリップ製造法;さらにはHアイアン法,サイクロスチール法などの鉄鉱石からの直接還元製鉄法などの最近開発されつつある新技術は資本節約的な要素がきわめてつよい。

このような資本節約的な技術進歩は資本蓄積の乏しいわが国にもつとも好ましいことはいうまでもない。世界の技術水準に到達した現在,この世界の技術の発展方向にそって,新技術の開発研究にいっそうの努力が必要であろう。

これとともに,従来大きな成果をもたらした原料の事前処理などのような,わが国の原料条件に適した地味な生産技術の研究をさらにおしすすめることが重要である。とくに,ほとんどを輸入強粘結炭にたよっている高炉コークスを,国内産の弱粘結炭にきりかえるという研究課題は長期にわたって追求すべきものであろう。


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