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第3部   部門別に見た技術の動向
第5章  金属工業
1  鉄鋼
(2)  製鋼

製鋼方式としては,世界的に平炉法,転炉法,電気炉法が採用されているがどの方式を主体とするかは,その国の原料,立地などの諸条件によって異なっている。わが国では,平炉法が主体となり,一部トーマス転炉法が行われていた。しかし最近になって,LD法(純酸素上吹転炉法),ターボ転炉法など新しい技術が登場し,世界的に新製鋼方式の企業化が拡がりつつあるが,わが国でもLD法が技術導入され,32年9月に稼動を開始した。この方式は今後平炉法と共存しつつ製鋼技術の主流をなすものと思われる。次に今日までの製鋼技術の進歩を平炉法を中心として述べてみよう。

平炉の大型化

冶金反応炉はその反応の均一性がそこなわれないかぎり,容量が大きい方が生産性が高いので,平炉もこの方向に沿って,大型化している。これと同時に炉型の改良,原料装入方式の改良が行われ,また炉の天井を硅石煉瓦からマグネシャ煉瓦に転換したため,後に述べる酸素の利用,高燃料の投入にもかかわらず,炉の寿命はいちじるしく長くなり,稼動率を高めている。

図3.27  鋼生産量,平炉燃料原単位,平炉の労働生産性

燃料管理の向上

燃料面では戦前の発生炉ガス,コークス炉ガス中心から大きく重油中心に切りかえられた。このような燃料として,よりすぐれた重油の使用率の増大とならんで,平炉の計装化はいちじるしく進展し,自動燃焼制御,炉内圧制御など自動制御による操業が行われるようになった。これらは酸素の利用と相まって,燃料原単位の著しい低下を可能にした。

酸素の大量使用

平炉製鋼において助燃,装入物の溶解,吹精の3つの操作に酸素を使用することは,戦後の重要な技術進歩の1つである。酸素の使用は,製鋼時間の短縮,燃料原単位の減少に大きな効果をあたえている。

この技術の普及にともなって大型の酸素発生装置が製鋼工場に一般に設備されるようになった。

新しい製鋼方式の採用

新しい製鋼方式についての開発研究は製鋼技術研究の重点の1つであり,各国において種々の方式がさかんに研究されつつあった。わが国においても,従来,トーマス転炉で吹錬不可能とされていた平炉銑の転炉製鋼が研究され,一応これに成功し,さらに,これを酸素富化吹精にまで発展させ,これに成功した。しかし,この間に純酸素上吹転炉法(LD法)が開発され,各国において採用され,その優秀性が実証されてきた。そこでわが国では,酸素富化転炉操業の研究を基礎として,この方式を各企業協同して技術導入を行い,昭和33年に入って企業化した。

この方式とよれば窒素の含有量が多いという従来の転炉鋼の難点が克服され,平炉鋼と同等もしくはそれ以上の品質の鋼がえられ,また鉄屑の投入は12〜13%程度で鉄屑の不足;に悩むわが国では今後平炉法とならんで,製鋼法の主流を占めることになろう。

溶銑を装入中の酸素上吹転炉


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