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第3部   部門別に見た技術の動向
第5章  金属工業
1  鉄鋼
(1)  製銑

鉄鋼の生産冶金は製銑工程,製鋼工程の2段の工程でおこなわれているが,製銑は高炉を中心装置として行われている。この工程における技術の進歩は高炉の有効利用と消費エネルギの切下げによるコストの低減に主点が向けられている。

原料の事前処理の強化

高炉に装入する鉄鉱石やコークスを破砕篩別を行って粒度を調整することが広く行われるようになり,これと併行して,粉鉱の焼結団鉱技術も向上し,還元性のよい焼結鉱が生産され,その使用率が高まってきた。また性質の異なった種々の鉱石を混合均一化するオアーベッテングも採用されるようになった。

このような原料の事前処理は,品質の異なった多くの産地の海外鉄鉱石を大量に輸入しており,また国内鉱石も粉鉱が多く,硫酸焼鉱などの独特の鉄源を多く使用しているというわが国の原料条件において合理化にきわめて大きな役割を果した。このような事前処理の徹底によって,物理的にも化学的にも均一の原料を高炉に装入できるようになったため,操業が安定し,装置の利用効率が高まった。このため高炉のコークス使用量,鉱石原単位は減少し,炉の出銑能力が高まり,コストの切下げにいちじるしい効果をあたえた。

図3.26 銑鉄の生産量,コークス比,高炉の労働生産性の推移

高炉の大容量化と計測操業の強化

世界的に高炉は大容量化する傾向にあるがわが国も,戦後の高炉の新設改修によって,大容量のものが多くなりつつあり,今後新設を計画されている高炉はすべて日産1,000トン級となっている。この大容量化は労働生産性,熱効率の向上には大きな効果をあげている。これとともに見のがせないのは耐火物の品質向上,築炉技術の向上,設備保全の徹底による炉の寿命の延長がいちじるしいことである。

一方戦前はその多くを経験にたよっていた操業を,戦後は各種の計器の装着が進み,炉内の冶金反応の法則性をかなり正確に把握しうるようになり,前述の原料の事前処理の徹底と相まって,操業は安定し,その成績の向上はいちじるしいものがある。


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