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第3部   部門別に見た技術の動向
第4章  電力事業
3  水力発電設備
(1)  大規模ダムの築造


水力開発における戦後の特色は大規模ダムの建設が盛んになったことであるが,これを可能ならしめたものは大型土木機械の採用による工事の機械化によるものといって過言ではない。

すなわち,従来掘削量が多く開発が不可能視されていた地点も開発の脚光を浴びるようになり,相当の大規模工事でも2,3年の工期にて完成し,工期短縮による建設利息,分担関連費の低下が大きく期待されている。しかし土木工事用機械および準備工事施設に投入する資金がばく大となり,たとえば佐久間発電所では,使用した土木機械の総価格は32億円にのぼっている。

戦後における大規模のダムとして,丸山(堤高88m,堤体積47万9,000立方米)湯原(堤高70m,堤体積21万9,000立方米)小河内(堤高149m,堤体積160万1,000立方米)佐久間(堤高150m,堤体積108万立方米)があげられる。

とくに佐久間は,着工以来僅か3年半の短期間にて予定通り無事に難工事を完成した。米国とわが国の建設業者の共同請負工事によって建設されたものであるが,大型の土木建設機械を駆使した工事技術の成果であるといわれている。

現在,田子倉(堤高145m,堤体積196万2,000立方米)奥只見(堤高157m,161万2,000立方米)の大ダムが,それぞれ工事用専用鉄道と工事用長距離ずい道を施設して鋭意建設されている。

これらは重力ダムであるが,コンクリート資材を節約して,工事費を節滅するため,アーチダム,ホーローダム,ロックフィルダムの各種が築造されている。

アーチダムは上椎葉(堤高110m,堤体積32万9,000立方米)が,米国土木技術者の技術指導のもとに建設せられて以来,殿山,鳴子が完成し,佐々並川,黒部川第4が建設中である。黒部川第4は堤高184m,堤体積134万立方米,アーチダムとしては世界最高の大ダムである。

井川(堤高100m,堤体積45万8,000立方米)は,わが国ではじめてのホーローダムであるホーローダムはアーチダムと同様コンクリートの節減をはかりうるうえ,施工が,アーチダムより容易であるので,今後,ホーローダムの建設が,期待される。

鳴子アーチダム

ロックフイルダムは,現地付近で適当な骨材が得られるならば,非常に経済的に築造でき,また堤体敷巾が広いので多少軟弱な地盤にも築造できる利点がある。石淵,野反池がこれであるが,建設中の御母衣は,堤高125m,堤体積750万立方米の大ロックフイルダムである。


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