ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   部門別に見た技術の動向
第4章  電力事業
1  電力技術の3目的
(2)  電力原価高騰の見通しと方策


つぎに,電力はエネルギの中枢として,その価格の高騰を防ぎ,できるだけ低位にて安定する必要があり,こゝに第2の課題が与えられる。

現在,新設設備は旧設設備に対して割高であるため,電力設備の増強にともない,両者を総合した発電原価は次第に高騰する。電力原価の高騰をできるだけ防止するため,建設費の低減,設備利用率の向上および保守運転の自動化,機械化による運転維持費の低下が,技術的にはかられねばならない。また,水火力の併用方式,とくに将来の原子力発電をも見通した揚水式水力の開発,適正な開発規模と各電力施設のバランスに対する考察および電力予備設漏の節減のため,できるだけ大電力系統を構成し,広域運営をはかる必要があろう。

大容量の水火力発電設備の増強に照応して,大電力系統を構成するためには超高圧送電線の建設を促進し,各地区間の融通連繋を強化する一方,電力需要の増加に対処して,高低圧配電線の根本強化対策がとられなければならないであろう。

広域運営上障害となるのに,わが国の電力設備の周波数が50サイクル地帯と60サイクル地帯と両者が存在することである。従前から,たびたび周波数統一が企てられたが,具体的措置は何等進展せず,近年において関東以東は50サイクル,中部以西は60サイクルとして,地域内における異周波数の統一をはかってきた。とくに九州地域においては,閣議決定によりその推進がはかられ,いちじるしく進捗している。現在では,このほか信州地域,高田地区,常盤地区において若干の地域が残っているのみであるが,これも次第に統一整理されつゝある。この両サイクル地帯が存在することが,ただ電力運用上不円滑であり不経済であるばかりでなく,電力機器の製造上におよぼす有形無形の損害はばく大なものであろう。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ