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第3部   部門別に見た技術の動向
第1章  農林水産業
3.  生産者
(4)  農林漁民の生活


農林漁民の生活をみてみよう。農村における発病傾向(正確には,診療所,病院に受診にきた件数の傾向)をみると,8月にピークをなし,6月に下降する傾向が顯著である。農業規模の零細性による土地利用集約化の傾向は,農業に共通な農繁期を,より烈しくする。手労働中心の過重な労働をしいられる夏期農繁期には,発病をがまんして診療をうけず,農閑期に入ってから診察をうけるということが,このような疾病件数のピークと下降を著明にするものと思われる。

疾病の原因をなすものは,過労と自給食生活による栄養障碍と,冷えであるといわれ,過労は,前述したように,機械化の進捗によって軽減されようとしている。愛知県神戸村の例にみられるように,カルチべーターの普及が,婦人労働の軽減や,病人の減少に役立っている。また,2.4-Dの普及による婦人の除草労働の軽減も,農村の疾病件数の減少に役立っていよう。しかし,一方では,農業従事者の婦人の相対的増加がみられるのであり,過労に基因する婦人の疾病件数は,当分減少がみられそうにもない。

栄養障碍に基因する疾患は,農山村の食生活が自給そさいと,穀類を中心とし動物性蛋白給源が不足している間は,まだまだ減少をみそうもない。農山村の食生活,栄養の改善は,基本的には,農家の生産力増大にまたねばなるまい。

農山漁村の住居,衣生活,農山漁村社会の人間関係も少なからず改善の余地が残されているが,いずれも,農業,漁業の生産力の増大による,農山漁村の近代化をまたなくては解決は困難であろう。

とはいえ,与えられた環境のなかでも,栄養知識,保健衛生知識の普及によって,まだまだ改善の可能性は残っており,現に生活改良普及員や,保健婦のけん身的努力によって,改善への一歩をふみだしだ農山漁村がないではない。


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