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第2部   科学技術発展の基盤
第8章  科学技術情報活動
3  ドキュメンテーション活動


昭和27年にユネスコの発表した,科学抄録活動会議の報告書 * によれば,毎年世界で発表される科学技術関係の論文数は180万件にのぼるといい,そのうちの1/3が抄録されている。しかも抄録された論文は平均して3回重複して抄録されているという。その専門別の抄録サービスの数(抄録を掲載する逐次刊行物の数)は, 表2.31 のとおりである。

表2.31 世界における抄録事業


* International Conference on ScientiCic Abstracting,final report,1952

文献整理の活動は,もともと,研究者が自分の研究資料の整理のためにはじめたものである。そのために,文献やデーターの整理が必要であり,かつその容易な学問分野において活動が活発どなった。たとえば化学,医学等である。

世界においてもその傾向は歴然としており,その分野においては文献整理が研究活動自体と分離して存在する傾向を示している。

日本科学技術情報センターの全容

わが国の重要な抄録雑誌および索引雑誌をあげると, 表2.32 のようになる。化学(日本化学総覧)と医学(医学中央雑誌および日本内科,小児科雑誌)の分野が他を圧倒しており,理学,工学とも専門の抄録事業の存在しない分野が非常に多い。これは,わが国の抄録事業が,国家的にみて足なみを揃えていない事を示している。事実,日本化学総覧にせよ,医学中央雑誌にせよ,学問自体が記述的な性格をもち,かつ,文献量の多い事(遠因)と,抄録事業に熱心な指導者と担当者が存在したこと(近因)がその創始と存続の一番大きい理由である。そのような中心的雑誌以外はすべて小規模のものであり,抄録方針,専任の抄録組織,編集者どもに不十分な,分散的抄録事業である。これは表2.32にもみられるように,年間1,000件以上の抄録を行っている雑誌の数が極めて少く,また抄録件数のほとんどが,これらの雑誌によって占められていることにも表われている。

表2.32 年間1,000件以上を収録している雑誌

文献整理活動としては,年間数千から,1万を越すものでなければ,手工業的段階といえる。わが国のドキュメンテーション活動は,まだ17世紀〜18世紀初頭の段階である。

昭和26年に,わが国に唯一のドキュメンテーション関係者の団体である国際十進分類法協会がうまれ,昭和28年には,日本学術会議内に,ドキュメンテーション研究連絡委員会が設置され,また,昭和32年に,日本科学技術情報センターが,わが国最初の文献整理活動を専門的に行う機関として設立され,わが国のこの活動も次第にさかんになり,世界の情報活動において占める位置も,次第に高まるであろう。


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