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第2部   科学技術発展の基盤
第7章  普及活動
1  生産活動への普及
(4)  企業外からの春及活動の現状


中小企業と農林業に対する普及組織をみると,次表のとおりである。

図2.24 中小企業と農林業への技術普及組織

中小企業者そこ対するものは,その主体が公立の場合は試験研究機関と診断制度とにわかれ,試験研究機関は技術そのもので,また診断制度は技術,生産様式を含めての経営全般で,企業へ働きかけようとしている。そして働きかけの当事者は前者の場合は公設試験研究機関の研究者が研究をしつつ行うものであり,後者の場合は企業診断員で,都道府県の商工行政の技師や大学の教授等の兼務が少くない。そして現在のところその両機関の活動上の関連はない。

試験研究機関の指導の方法は,研究結果を内容とする講習会や展示会の開催のほか,技術相談の処理を行う。また,企業の積極的な研究心に応えるため研究室の開放を行っているものもある。企業診断員は,商工相談所等に拠って,相談,依頼に応じ個別の工場の診断を行うほか,その個別診断を小規模,零細企業へさらに滲透させるとともに,漸次都道府県および中小企業庁の行う産地や系列の集団診断を行い,その中から問題をとりあげて指導するようになってきた。さらに,これらの活動をより効果あらしめるため,研究工場,モデル工場が設けられ,また受診後の改善のいちじるしいものの表彰が行われている。

このほか,中小企業における技術普及の助けとなっているものに,中小企業協同組合の府県段階に設けられている巡回指導員があるが,その数はきわめて少ない。また標準化,単純化,専門化の3S運動を行っている日本生産性本部日本規格協会等の活動,あるいは地域に設けられている技術振興団体や各種団体の関連する活動も,その影きょうは,小さくないであろう。さらに国の機関が直接行う普及活動もある。

鉱工業部門の指導の方法が,企業のみずからの積極性に応えるようになっているのに対し,農業関係の普及活動は,そのような積極性を育てあげる方に,より力が入れられている。

農業改良普及事業についてのみみると,その活動の中心は,全国をもうらした普及地区に配属されている農業改良普及員で,各人が地区内の農業事情に応じて分担した特技的な活動と,一般の普及活動をあわせて行っている。その活動の主なるものは,改良普及員を援助するために設けられている専門技術員の協力を得て地区普及計画をたて,その計画にもとずいて,試作圃や展示圃の施設を応用しながら,技術改善の動機づけを行っている。このほか青年学級や成人学級等の社会教育の講師ともなり,また試験研究機関の現地試験を担当農家とともに協力したり,調査研究資料の収集も行って農家と試験研究機関との連絡の役目を担っている。

この普及員の活動対象は,主として農事研究会などの地域の自発的な集団である。普及制度発足当初は個別の農家の巡回指導が行われていたが,漸次このような集団に対する接触の方に発展してきている。現在普及事業で対象とされている集団は,全国で5万集団,50万人といわれていて,その自主的な成長いかんが普及事業の成否を決定するものとされている。


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