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第2部   科学技術発展の基盤
第6章  科学技術者の育成
2  世界のすう勢
(2)  英国


英国が科学技術教育の振興に真剣に取組んだことは,1944年(昭和19年)における教育の全面的な改革を行って制定した新教育法に,その源を見ることができる。この特徴とすることは,近代中学校と技術中学校の拡充,勤労青少年に対する定時制教育の義務化などであった。続いて戦後ただちに,科学技術人材の問題をバロウ委員会(The Barow Committee on Scientific Manpower)に諮問するなど,長期見通しに基く養成計画の重要性が唱えられてきた。この委員会は,1946年(昭和21年)に大学の科学技術部門の卒業者を今後10年間に2倍にすべきことを勧告している。立案当時計画数字は過大と見られたが,戦前の5,400人に対し,実施後早くも5年で1万1,900人の科学技術系卒業者を出すにいたった。

その後,バロウ委員会の後身である枢密院科学政策諮問審議会(The Advi.sory Council On Scientific Policy)は労働省と協同調査を行い,1956年(昭和31年)10月に報告書を出している。これには,1970年(昭和45年)までに科学技術者の新規養成数を2倍にすべきことが述べられている。これに基いて,1955〜56年(昭和30年〜31年)の大学学生数8万4,000人(うち43%が理,工,農,医関係)を今後10年間に10万6,000人に増大し,その増加分の2/3を科学技術部門とすることとし,資金計画も承認された。

これより少し前の1956年(昭和31年)1月に発表された技術教育白書は,主として技術専門学校(Technical College)における技術教育拡充5ヵ年計画について述べており,上級課程の卒業者数の50%の増加と,これに見合う技能者養成のための定時制課程の生徒数9倍加が目標になっている。このための施設・設備費に8,500万ポンドが必要であるとしている。

この白書では,とくに就職した技術者が現場教育と学校教育とのサンドイツチ課程による工業教育の拡大によって,高級技術者を多数養成することを強調している。

サンドイツチ課程は,修業年限4〜5年間を6ヵ月前後の工場実習と学校教育とで交互に行うもので,1952年(昭和27年)以来,24の技術専門学校で実施され,75%の国庫補助がなされている。

英国の義務教育年限は満5才から10年間で,小学校,中学校(古典中学,近代中学,技術中学)をへて,技術専門あるいは大学へと進み,科学技術者が育成されている。なお,技術専門学校は地方の産業との関連が深い特色をもっている。


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