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第2部   科学技術発展の基盤
第5章  標準化
4  標準化が直面する問題
(5)  規格の体系的制定についての問題


元来標準化は原材料からはじまって,1次製品,2次製品へと進められてゆくのが理想的で,このように順序正しく規格が制定されてこそ,その活用が広がり効果もあがる。たとえば,製品の規格だけできても,その原材料の規格がないと無意味になってしまう。

ところが日本工業規格の制定は,はじめのうちは,日本標準規格,臨時日本標準規格,あるいは日本規格などの旧規格を個々に再検討して,日本工業規格に編入することに追われ,その余力で各方面からの規格制定の要望のうち,さしせまったものにかぎって制定するという状態であった。昭和28年になって一応この旧規格の整理を終ったが,これまで制定した規格を体系的にみると,制定しなければならない規格が多数あり,また重要な規格であっても,その制定にあたって技術的に研究を必要とするため,制定がさまたげられているものがかなりあるととがはっきりした。

そこで昭和30年から,体系的に規格のあり方を追究して,計画的に規格の制定を行うための日本工業規格制定長期計画がたてられ,一応わが国で必要とされる規格数は, 表2.16 に示すように12,054という見通しにたって,現在規格制定が進められている。しかしながら現在はまだその4割程度しか制定されていない現状であり,また技術の発展が急速であるため,毎年すでに制定した規格を見直したり,改正したりせねばならない規格も増大してゆきつつある。さらた現在割合に軽視されがちな標準化のための地道な研究が重要となってきている。

表2.16 日本工業規格の長期制定計画

したがって,標準化をおしすすめる上で重要な軸となる日本工業規格の制定のための機能を充実することが必要である。

また農林物資の国家的規模の標標化は,前に述べたように「農林物資規格法」にもとずいて規格が定められるもののほか,主食食糧農産物は「農林物資検査法」で,肥料は「肥料取締法」,農薬は「農薬取締法」で規格が定められている。このように,各物資がばらばらに標準化されるという状況は規格の体系化にとって好ましくない。このため,まず農林物資全般についての一元的な規格制定体制を整備することが必要であろう。さらに農薬,肥料のように,その標準化が農業,工業にわたって影きょうをもつものを,国家規格体系に正しく位置づけて,標準化するために,農業の標準化と工業の標準化のより密接な連けいが重要である。

この点,国際標準化機構に加入している諸外国の標準化機構は,工業,農業をとわず,一元的に国家的規模で,標準化を進めていることは,1つの参考となろう。


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