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第2部   科学技術発展の基盤
第4章  特許
3  特許出願を通してみたわが国科学技術


表2.13 にみられるとおり,わが国への外国人の出願件数は比較的多数でたとえば昭和29〜31年の3ヵ年における平均は全体の19%にもおよんでいる。

これに対してわが国より外国への出願は年々増加の状態にあるとはいうものの,昭和31年においては583件であり,これは外国よりの同年の出願に比較して約10%にしかすぎない。

外国よりのわが国への出願あるいわが国よりの外国への出願はそのいずれもが,その技術内容において出願相手国に先行しているものとしてなされるものであると考え得るので,前述の比率は,わが国の科学技術水準の一端を示唆するものとしてきわめて意味深いものというべきであろう。

昭和31年において,外国人の出願が30件以上に達した部門をあげてみれば

金属工業関係――治金,合金,金属の熱処理一般,表面処理,接合,切断,成形等
化学工業関係――化学工業一般,物理化学,有機化合物一般,鎖状化合物,同素環状化合物,同素多環状化合物,複素環状化合物,ガラス,ガラスの加工,染料一般,アジ染料,ゴム,可塑物一般,合成樹脂系可塑物,不飽和化合物,縮合的重合物,毒薬等
繊維工業関係――人造繊維一般,染色,染色加工等
機械工業関係――内燃機関の全体構造,軸,軸受,軸継手,伝動装置,運動制御,弁,分離,車輪,普通鉄道車輛,飛行機の共通部分構造,写真機,一般測定器部分品等
電気および通信工業関係――発電機,電動機,変圧器,整流器,開閉器,遮断器,放電灯,自動式電話交換付属装置,写真画像の送像受像,高周波電気通信一般,真空管,トランジスタ等

である。これらの部門は,昭和31年にかぎらず従来から毎年出願の多い部門である。

これらの部門は科学技術の分野としては,高度に属するものであるが,単にこのことのみをもって直ちに先進諸国がわが国を高度技術の植民地化にしようとするものとはいい得ないであろう。しかしながらこれら外国人の出願は,わが国重要産業のほとんど全領域にわたっている関係もあり,わが国の産業界が先進諸国の技術水準に遅れをとらないようにするためには,今後相当な努力を要するものといわなければならないであろう。


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