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第2部   科学技術発展の基盤
第4章  特許
1  科学技術振興の媒体としての特許制度


特許制度は,それ自体が発明を奨励し,振興することを狙いとするものである。すなわち,発明者に一定の条件のもとに,一定期間独占権を付与することによって,発明者を保護し,発明の奨励に資すると同時に,その発明を公開することによって,これにもとずき,さらに飛躍した技術内容を有する次の発明がひろくうみだされることを期待するものである。

この制度は,17世紀にイギリスにおいて確立され,その後資本主義形態を有する諸国家において採用されてきたものであるが,ソ連も建国後の1919年(大正8年)には「発明に関する規定」を公布し,発明は勤労者の生産への関心を,高め,科学技術の向上をはかり,一般の自覚ある経済建設への協力を促進し,労働生産性を向上させるものとして,その重要性を認めている。また中共も昭和25年「中共特許及び発明証に関する仮規則」を公布している。

このように現在においては,その国家形態のいかんを問わず,特許制度は科学技術振興の媒体として,その重要性が認識され,これに関する法制を布いていない国はほとんどない状態である。

さらに特許制度の国際関係については,ソ連,中共等少数の国を除く国は,工業所有権に関する保護同盟条約に加盟して,工業所有権の世界的な流通性の確保に協力している。このようにして特許制度は,先進国にとってはより高い繁栄への基礎を提供し,後進国にとっては技術導入を容易ならしめるよすがとして,国際協力の促進と各国それぞれの立場においての国運の伸長に寄与貢けんしているのである。

わが国においても,明治18年に現行特許法の先駆として,専売特許条例が公布され,同32年には工業所有権に関する保護同盟条約に加盟している。以来今日まで,この制度は幾多の変遷を重ねてきたが,国内の科学技術を振興し,諸外国との技術の交流を促進し,わが国科学技術水準の向上および産業の発展等に大きな役割を果してきたのである。


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