ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   科学技術発展の基盤
第3章  国際技術協力
2  技術協力の現状
(1)  世界における技術協力



(a) 国連による技術援助

今日国連が中心になって行っている技術援助を大別すると,次の4種類となっている。

通常技術援助計画

この計画では,国連の一般予算で経済開発を援助するため,国連の技術援助局(TAA),国際労働機構(ILO),国連食糧農業機構(FAO),国連教育科学文化機構(UNESCO),国際民間航空機構(ICAO),世界保健機構(WHO),国際開発復興銀行(IBRD),国際通貨基金(IMF)など,7つの国連の専門機関が,それぞれの分野で技術援助に参加している。これらの機関は後述の拡大技術援助計画をも実施しているが,このうち最も活発な動きをみせているのはTAA,FAOおよびWHOである。

拡大技術援助計画

低開発諸国側の技術援助に対する要望は,上記の通常技術援助計画のような小規模の計画でみたし得るわけがなく,より大規模な計画の実施が必要となったので,1949年(昭和24年)トルーマンのいわゆるポイント・フォア計画の呼びかけを契機として,国連は技術援助計画の拡大にのり出した。これは国連に加盟している国のみならず非加盟国の政府がそれぞれ拠出金をたしそれによって各国政府の要請する専門家の派遣,研究費,奨学金の供与,および設備,物品の提供を行っている。

最近2,800万ドル程度の資金が集められているが,このうち一番大きな拠出国は米国で1,500万ドルで約半分を占めている。わが国は1955年(昭和30年)より9万ドルを毎年だしている。この計画によって与えられた援助の地域別の比較を 表2.9 に示す。

表2.9 拡大技術援助計画による援助の地域別比較表

地域経済委員会の援助計画

国連は世界を3地域にわけて,そのおのおのに地域経済委員会を設けている。アジアにおけるアジアおよび極東経済委員会(ECAFE),欧州の欧州経済委員会(ECE)および中南米のラテン・アメリカ経済委員会(ECLA)がこれであって,小規模な技術援助活動を行っている。ゼミナーナルを開いたり,鉄道や水利の訓練所を設けたりして,その地域地域の特殊な経済問題の解決のための技術援助の機会を与えている。

その他の技術援助

以上の3つが国連の主な技術援助であるが,これ以外に国連は最近とくに社会問題についての技術援助にのりだしてきたが,日が浅くむしろこれからの発展にまつところが多い。
(b) コロンボ計画による技術援助

コロンボ計画は周知のとおり1950年(昭和25年)にセイロンの首都コロンボで開催された英連邦外相会議に起源を発しているが,その目的はアジア諸民族が久しい間味ってきた貪困と飢餓の苦しみを救い,かつ東南アジアが世界貿易に戦前より占めていた重要な役割にかんがみ,全世界の貿易量を増加せしめるために,この地域の潜在資源の開発を促進しようとすることにある。そのため・先進諸国はこれら地域の研修生の受入れ,専門家の派遣および設備の供与などの技術援助を行っており,実施にあたっては直接当事国政府が双務的に協定を結ぶことになっている。

図2.24 コロンボ計画による参加国政府の支出額

図2.24 は加盟国が年2回事務局に行う報告に基いた実績支出額を示している。1956年(昭和31年)12月までに支出された総計は679万1,492ポンドに達している。この図よりわかるように,ここ2,3年の間に研修生に対する支出は増加したが,他方専門家および設備についてはほとんど変化がない。 表2.10 は供与国別の援助費用を形態別にあらわしている。

表2.10 コロンボ計画による1950.7〜1956.12月までに供与された援助費用,供与国および形態別


(c) 米国のICA資金による技術協力

この技術協力は,1950年(昭和25年)11月に国際開発法の制定に基いて行われたものであるが,ICA(国務省国際協力局)としてはまだご2年しかならない。目的とするところは,経済的未開発地域の国民が,自然の資源を開発し,労働生活条件を改善する努力を米国の技術協力や投資で援助するということである。アジアに対する技術協力は,農業生産技術の向上や作物の多角化など,農業開発に重点をおいている。 図2.25 はICAによる海外派遣技術者の地域別のものである。総計3,975名でアジア地域では朝鮮の200名が最も多い。逆に米国で訓練を受けつつあるのは1956年(昭和31年)6月末で2,497名で,米国の派遣技術者より少ない。つぎにICAの資金の支出額は1956年(昭和31年)末で198億ドルであるが,このうち,本技術協力費は約10%となっている。

図2.25 ICA資金による派遣技術者の地域別表


(d) 各国の提供する技術協力

これはソ連,中共等にみられる政府相互間の契約による開発援助で,それにともなう技術指導,技術者の訓練である。積極的に行っているのはやはりソ連英国,西独等である。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ