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第2部   科学技術発展の基盤
第2章  外国技術導入
7  今後の問題点
(2)  国内技術の交流


技術導入が国内技術の貪困に起因していることは事実であるが,そのうらに国内にすでに完成されている技術の交流が忘れられていることも大きな要因となっている。国内にも世界に誇りうるすぐれた技術もあり,また,それほどでなくとも相互の技術交流によって長短相補い,多数の一流技術を育てあげてゆける素地が十分あるにもかかわらず,資本系列の同じ企業間で技術交流や技術指導がいくらか行われている以外は,国内企業相互間で外国技術導入の場合のように大々的に技術が交流される例はほとんどない。これは技術の所有者側が競争者を育てる結果になるのを恐れることにもよるが,もともと企業として積極的に技術を売ろうとする方針がとられていないので,技術者を他企業の仕事にまわす組織と余力がなく,また技術を商品価値のある形にまとめていないためその機会があっても実現しないようである。さらに,技術の購入を希望する側としても競争者から指導を受けることによって内情を知られるのを好まず,少しでもすぐれた技術によって企業的にも優位に立とうとし,外国技術の導入に頼る傾向となり,国内技術の若干の欠点を協同で改善してゆこうとする積極性を持ないことに原因している。

世界的な技術商品化の傾向にかかわらず,今までのところわが国では,外国からの買手の立場でのみとり入れられ,国内一般の慣習にまで消化されていないのが実情である。外国技術に対する場合には,研究には多額の投資が必要なため,およばない場合はいさぎよく高額の対価を支払って購入することも企業としては必要であるという考え方が普及し,技術の売買慣習が常識化されつつあるが,この認識を国内技術交流にもおよぼすことによってその効果は大きなものが期待でき,これが促進のための努力が望まれる。


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