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第2部   科学技術発展の基盤
第2章  外国技術導入
4  概況


甲種技術導入の業種別認可件数は 表2.7 のとおりであり,増勢をたどりながらも昭和29年頃に中だるみがありその前後では業種別比率にも変化のあることが特徴として見出される。件数,の推移は業種別にそれぞれ特徴があるが全般的には,経済復興が軌道にのった昭和26〜28年は,導入の最も隆盛な時期となっている。これらは,戦争による空白の回復,基礎産業の強化に関するものが主体をなし,一応の水準回復を目的としたものが多かった。したがって29年にいたり導入件数は減少傾向をしめしたが,当時の不相応な消費増大に原因した外貨事情の悪化と,これにともなう金融引締めの影きょうも考えられる。その後31年にいたって再びすでに固まりつつあった基礎のうえにたって化学工業を中心として新技術や新産業の導入が活発となり現在におよんでいる。当時の投資の過大傾向は最近の外貨収支悪化をまねいたが,経済拡大の基調は崩れていないため,依然として技術導入意慾は旺盛である。毎年の新規契約件数の動きはこのように2つの波をしめしているが,この間,期間満了や失効によって消滅したものは1割程度にすぎず,大部分は数年ないし数10年の契約期間を持っているため,契約実施中の件数は年々累積し,これにともなう,対価の送金額は 図2.23 のように急激な上昇線をたどっている。

芳香族を改質油中より抽出するUOP式ユデックス抽出装置

相手国別件数は 図2.21 のとおり,米国が67%と圧倒的であり,ついでスイスの8%,西独6%となっている。戦前の技術提携は今日ほどさかんではなかったが,米国60%,ドイツ20%であったのにくらべいちじるしく様相を異にしている。これは,戦後日米間の政治経済上の結合が強くなったことや,さらに戦後の世界の技術の主導権が,米国にあったことがその原因であるが,最近の傾向ではスイス,西独,フランス,英国などの欧州各国の技術が比重を増しつつあり,戦後の無差別な米国技術依存から漸次広く優秀な技術を選択するという正常化の傾向をしめしつつある。

現在実施中の契約に基いて行われた対価の部門別送金額を昭和31年度についてみると, 図2.22 のとおりである。分類法が件数の表 (表2.7) とことなっているので比較しにくいが,1件当りの送金額は大差なく,化学系統のみ平均を上回り,大規模のものが多いことをしめしている。

乙種技術導入の認可件数と金額は 表2.8 のとおりである。甲種は工業生産そのものを対象とするのに対し,乙種は機械設備に関するものが大部分をしめているので,機械輸入の代用ともみるべきものであり,設備投資の状況と一致している。したがって,化学,金属のような装置工業のしめる率が高く,逆に機械や電気は甲種にくらべて少い。

甲種と乙種の送金額の比率の変遷は 図2.23 のとおりである。この比率は乙種が装置工業を主体とするという観点からして単に業種の比率を示すにすぎないが,近代産業が装置に立脚する傾向は強くなりつつあり,生産技術が機械設備に具現されるという観点に立てば,甲種の方が導入技術としてはより包括的であり,乙種の方が部分的であって,受入れ側の技術水準が高まれば,乙種の比率が大きくなるものとみてよい。全体の傾向からみて,甲種の比率が大体80%台に落着く形を示しているが,乙種の方が短期間に精算できるという意昧からも,甲種の減少することが望ましい。

図2.21 甲種技術援助契約国籍別認可件数

図2.22 甲種技術援助契約学問別対価送金額

表2.7 甲種技術援助契約認可件数


表2.8 乙種技術援助契約の認可件数と金額


図2.23 技術導入対価の比較


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