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第2部   科学技術発展の基盤
第2章  外国技術導入
2  技術の商品化


昔の技術は,個人の経験と努力のうえにたった熟練として徒弟制度によって伝承され,排他的な秘密主義がとられていた。これは技術的には十分習得を行えるだけの素質と実力のある者のみに純粋に伝えることによってはじめて可能となる優秀性の保持と,優れた技術によって生ずる利益の独占とを目的としたためで,この傾向は程度の差こそあれ現代にいたるまで残されている。

しかしながら,産業の近代化や,流通の広汎化につれて,技術の企業化にあたって立地条件,資本力,設備,物質バランス,市場開拓力などの重要性が増加したため,技術の所有者がこれらの条件をみたしえない場合は,独占は必ずしも有利ではなくなり,また技術進歩の速度が早まってくるとその陳腐化が速くなったことや,設備投資のウエイトが増大して景気の波に対応し難くなったことなどのために,危険負担を分散する意味からも,次第に技術を売ることが採算に合うようになった。

この間,各国で特許制度が設けられたことも技術の商品化の1条件となったが,特許権が設定されない実際の工業生産にあたって必要な技術(いわゆるノウハウ)でも,直接利潤に関係があるため各企業の秘密に属していたが,他の企業がこれを必要とするときは,直接その企業から相当の対価によってゆずり受けるようになり,技術を1種の商品として売買するという慣習がうまれ,とくに戦後の世界的な傾向となってきた。

しかもこの傾向は,企業における研究が大規模になり組織化されるにつれて増大する莫大な研究投資の回収を自社の生産以外にも求めることを可能にし,研究を分業で行うことから,研究業とか技術仲介業などが成立できるようになった。


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