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第2部   科学技術発展の基盤
第1章  研究活動
8  諸外国の研究活動
(4)  西独


戦前のドイツにおける科学技術研究は,基礎,応用の両面で世界の最高水準をゆくものであったが,第2次大戦の結果その優位性を一瞬にして消失した。

しかし過去において蓄積され深く国内に根をおろした力は強大であり,進歩的国民性とあいまって,科学技術の水準もようやく戦前の姿をとりもどしつつある。

政府の果している役割をみると,国全般に関するものは連邦政府の内務省,州に関するものは州政府の文化省が扱っているが,全般的に州政府の役割の大きいのが特徴である。すなわち,州は州間協定(1949年にとりきめられた科学技術の研究施設の出費に関する協定)によって研究を支援するとともに,各州にはそれぞれ州研究会議があって,その州の経済機構の実状を考慮して応用研究の援助を行っている。

公共的性格をもつた研究関係機関のおもなものは,ドイツ研究会議(Deuts-che Forschungsgemeischaft),ドイツ科学援護財団(Stifelverbant ftlr Deu-tschen Wissensehaft),マクス・プランク協会(Max Planck Gesellschaft)フラウンホーヘル応用研究振興協会(Fraunhofer Gesellschaft zur Fored-erung der angewandten Forschung)の4つである。

ドイツ研究会議は,連邦内務省と州文化省の管理下にある基礎研究振興機関でみずからは研究を行わず,政府,州政府および民間よりの寄付をうけ,もっぱら,国内における研究協力の促進,研究者に対する資金援助などの振興業務を行うほか,科学文献の収集,配布も行っている。ドイツ科学援護財団は産業界が政府とは別に科学の振興をはかるために各産業団体に毎年寄付金額をわりあて,大部分をドイツ研究会議に支出して研究費の不足を補っている。マクス・プランク協会は,1911年に設立されたカイザー・ウィルヘルム協会の後身(1948年に改組)で,傘下に流体,物理化学,金属,石灰,生化学など34の研究所をもち,広範囲に基礎研究を行っている。その研究事業は,政府,産業界からは独立して行われ,財政的には州間協定の管理下におかれている。1949年に設けられたフラウン・ホーヘル協会は,前者と異り,応用研究の奨励にあたっているが,歴史も浅く活動も小規模である。

産業界における応用研究奨励機関として,産業研究組合連合(Arbeits-gemeinschaft Industrieller Forschungsvereinigungen)がある。これは1954年に23の産業研究団体によりつくられたものであるが,英国の研究組合と異る点は,みずからは研究施設をもたないこと,会員の60%が従業20人以下の小企業であること,である。収入は英国同様,会費(会員会社の売上高に比例)と政府補助金がある。

研究振興のため特色のある免税措置としては,産業に役立つ発明をした者には,その発明の利用から生ずる収入に対して,所得税の半額免除がある。


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