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第2部   科学技術発展の基盤
第1章  研究活動
8  諸外国の研究活動
(2)  英国


英国は科学の面では輝かしい伝統をもち,幾多の成果をおさめているが,これを実際の技術として利用するという点では,過去において米国,ドイツなどに劣っていたといえる。このため英国では第1次大戦以降,研究体制の整備,拡充(たとえば研究組合制度の確立)に力を注いできたが,第2次大戦以後は非軍事研究面だけでも科学政策審議会の設置,技術開発公社の設立,研究組合に対する援助規模の拡大にみられるように,輸出振興の政策と相まって研究振興のためにいっそう努力している。

表2.5 1955年(昭和30年)研究費使用実績

非軍事研究の元締は枢機相で,委員会を通じて,科学工業研究庁(DSIR),医学研究会議,農業研究会議の機関を所管している。これらの研究会議(DSIRを含む。)は,みずからの研究所で研究を実施するほか,補助金の交付などにより,それぞれの分野の研究奨励にたずさわっているが,このうちもっとも広範な活動を行っているのはDSIRである。

DSIRは,物理学研究所をはじめとする14の研究所で科学技術全般にわたる研究を実施しているほか,産業研究奨励のための研究組合の援助,大学その他の機関における基礎研究の奨励,研究者の育成等の業務を行っている。

研究体制面での特色は,技術開発公社(NationaI Research Development Corporation)と研究組合(Co-Operative Research Associations)である。

開発公社は,1948年に商務省によって設立され,主として公共資金による研究成果,発明(政府,大学,研究組合等におけるもの)の開発を行っている。

公社はみずからは開発研究を実施せず外部の適当な機関に委託している。

研究組合制度は米国の受託専門研究機関と対比できる特色のあるもので一般にヨーロッパにおいて普及している。とくに英国では,この制度がゆきわたっている。この制度は第1次大戦中にもうけられたもので1954年現在で機関数は41,総収入470万ポンド(DSIRからの補助金は,130万ポンドで残りの大部分は会費収入である。)で,その規模は年々拡大の傾向を示している。各組合を個別にみると,鉄,石灰,電気,綿業のごとく年間収入30万ポンを超える大規模なものから,バネ,レース,フェルト,漂白,刃物など年間収入2万ポンド程度のものにいたるまで大小さまざまであるが,一般に規模の小さいものほど政府補助金の比率が大きくなっている。業務は,各会員に共通して必要な技術問題の研究であり,このほか実費で会員からの特別委託研究にも応じている。また研究成果の普及をはかるとともに会員の声を組合の業務に反映させるための巡回指導をもっていることも特色の1つである。


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