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第2部   科学技術発展の基盤
第1章  研究活動
7  大学および大学付置研究所


わが国の大学は,明治初期に創立されて以来,次第にその数も増加し,最高の教育機関として多くの人材を育成するとともに,基礎研究において多くの輝かしい業績をあげてきた。

科学技術の急速な進展とともに大学における研究活動の比重が増大し,教育の負担をもたない純粋の研究機関として,大学学部とは別に付置研究所が設けられ,それぞれ研究所ごとに特定の分野の研究を行っていて,基礎研究ばかりでなく,応用研究においても重要な役割を果している。

大学および大学付置研究所の総数は, 表2.2 に示すとおりであり,戦後飛躍的に増加している。

大学および大学付置研究所の状況は 図2.18 , 図2.19 に示した。

すでに第2節でのべたように大学の研究は民間企業の研究とならんで重要な地位をしめているが,大学の統計数値は純粋の研究に限るならば若干下まわるものと思われる。

戦後の経済の困窮時以来,おおむねすべての研究機関の研究費は不足をきたしたが,大学の研究費の不足が最もはなはだしく,その回復の速度も遅い。戦前よりある大学は,多くの研究者と研究施設等の過去の資産のもとに,十分ではないが研究活動を漸く維持している。戦後発足した多数の新大学は,研究施設を新規に必要とする等の困難と過去よりの研究実績の特色のないため,研究活動ははなはだ不利な状況にある。これらの大学は教育の機関としての機能をはたすのが漸くであり,研究機関としては,まだ発足の途上にあり十分なものとはいえないであろう。

図2.18 大学および大学付属研究所の従業者,研究者,支出総額,研究費

表2.2 大学の数

図2.19 大学および大学付置研究所の研究費の学問別構成比率

科学技術の研究を行っている大学,大学付置研究所の多くは国立で,したがってその研究費の大部分は政府の支出に頼っている。これらは,戦後次第に増加してはいるが,その増加速度も低いので実際に研究に使用されている額は十分とはいえない。

たとえば多くの国立大学において,研究室もしくは講座あたりの実質研究費は,戦前の1/3〜1/4に低下している。また施設の更新はほとんど不能であり,老朽施設を使用せざるを得ない境遇にある。研究旅費も不足していて,研究者の学会出席や共同研究等に大きな支障をあたえている。

研究要員は全般的に教授,助教授にくらべ補助者,特殊技能者等が不足しており,その構成はピラミッド型の観をていしていて,研究の能率を阻害するなど国立試験研究機関と同じように悪い状況にある。

国立大学の研究費は経常経費である教官研究費が主体となっているが,これは光熱水料等をまかなうために使用され,講座または教官に配分される額は1/4程度に減じきわめて少ない。このほかには年度ごとに新らたに研究題目別に選定されて文部省より研究者に交付される科学研究費がある。これはほぼ研究費として使用できる状態にあり,共同研究を助成するに効果をあげているが,その額は十分といえないであろう。このためには研究費の増額と予算見積り上の改善が要望される。


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