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第1部   総説
第2章  科学技術の一般動向とわが国の現状
2  現代の科学技術に見られる傾向とわが国の現状,
(6)  国家の役割の増大


科学技術のもつ役割が大きくなるにつれて,科学技術の進展が国として強く要望され,政策の根本問題となっている。ただ欧米の多くの国では,直接的な国家の安全という立場から,まず軍事面に強調され,その技術が総合的であり広範囲であるために国内の一般産業の技術水準の向上に寄与しているのが実状である。たとえば,軍事的な研究予算は工業研究はもちろん,医療衛生の分野や基礎研究の領域にまでひろく流れこんでおり,現在のエレクトロニクス,航空機,原子力の分野の進歩はとくに軍事上の要請によって推進されたものであるといえよう。

しかしながら,軍事力の強化を目標として科学技術を推進することは,戦前のわが国にみられたように,ともすれば科学技術の不均衡な,跛行的な発展をもたらすおそれがある。したがって,わが国はこのような海外諸国の動向にはとらわれず,人類への奉仕という科学技術の本来の使命にそった国民生活の向上を目標として,科学技術の進歩における国家の役割を増大すべきである。この観点から科学技術の均衡のとれた健全な発展をはかるために,国の重要施策としてこれを総合的に強く推進することが必要である。


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