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第1部   総説
第1章  経済の発展,福祉の向上と科学技術
5  世界分化への貢けん


以上いくつかの角度で述べてきたところのわが国自体の問題に対して,科学技術によって解決をはかるべきことは当然であるが,わが国の科学技術の役割はこれのみにとどまるものではない。

現代の世界文明の大部分は,主として欧米先進諸国におけるここ数世紀の科学技術上の業績を基礎として築かれたものであり,事実われわれはこれを吸収消化して,日常の生活のなかでその恩恵を享受している。

かえりみて,これまで日本人は,海外文明をとり入れ,自分のために使うことは行ってきたが,新らたなものを加えてゆくうえで,どれだけのことを人類に対して行ってきたのであろうか。

世界的な交流が行われる科学技術の性格からして,すぐれたものを見いだし,創造することによって,日本人は世界人類へ貢けんする最も近道をえらぶことができる。

自然の認識に画期的なものを加えたニュートン,ラヴォアジェ,ダーウィン等の業績,人類を病苦から救ったパストゥールやジェンナーの医学上の発見,新しい技術の開発を達成した多くの人々,たとえば蒸気機関におけるワット,電力利用のエジソン,空中窒素の固定に成功したハーバーやボッシュなどの歴史にのこる業績に匹敵するものをわが国の科学技術がうみだすことができればその恩恵は単に日本人におよぶのみでなく,ひいては広く世界の人類を益することができる。そして,その可能性を十分にわれわれはもっているのである。

近隣を眺めても,東南アジア諸国民の生活水準を高めるうえに,わが国の科学技術の寄与しうる余地は実に大きい,現に米作技術にみられるように,すでにその一部は緒につきつつある。

平和国家として再発足したわが国が,世界に対し貢けんする道を開くところにも,日本の科学技術の果すべき役割が見いだされよう。


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