萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年6月5日)

令和2年6月5日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

新型コロナウイルスと学びの保障、学びの保障総合パッケージ、秋季入学・新学期制、新型コロナウイルスと教員免許更新制、新型コロナウイルス感染症対策としての基礎研究及び先端技術の活用、新型コロナウイルスと小中高のスポーツ全国大会

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年6月5日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年6月5日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年6月5日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、今日、私からは二件ございます。まず、「学びの保障」の件です。新型コロナウイルス感染症との闘いが長期化する中で、感染症対策と子供たちの健やかな「学びの保障」を両立し、あらゆる手段で、子供たちを誰一人取り残すことなく、最大限に学びを保障していくことが重要です。新型コロナウイルス感染症対策のため、効果的な学習保障のための学習指導の考え方や国全体の学習保障に必要な人的・物的支援等について「学びの保障総合対策パッケージ」として取りまとめ、本日、お示しすることとしております。特に、学習指導の充実については、教科書発行者にご協力をいただきまして、学校の授業における学習指導の重点化のための参考資料を公表します。本日は、小学校6年生、中学校3年生の全教科について、また、今後、他の学年について順次お示しする予定です。また、新型コロナウイルス感染症に対応した学校運営に関しては、これまで「学校再開ガイドライン」を始めとして文部科学省より考え方を示してきましたが、今回、6月にはほとんどの学校が再開されることを踏まえ、各種通知を整理して「持続的な学校運営のためのガイドライン」として取りまとめ、お示しすることとしています。各学校の設置者におかれましては、このガイドラインや先日公表した「衛生管理マニュアル」等を踏まえ、感染対策を徹底した上で、学びを止めることなく、持続的な学校運営のための取組を進めていただきたいと考えています。これらパッケージやガイドラインについては、教育委員会等に対し、本日、通知を発出して周知をする予定ですが、取組を着実に実行するため、文部科学省の考え方や支援策、自治体の先進事例の紹介など、現場で日々、子供たちの学びの確保にご尽力いただいている教育委員会や教職員の皆様、保護者や地域の皆様に向けて、6月12日(金曜日)10時よりYouTubeで配信を行いたいと思います。パッケージやガイドラインについては、通知を発出次第、事務方からブリーフィングを予定しておりますので、詳細は担当にお尋ねいただければと思いますが、引き続き、関係者と緊密に連携し、家庭や地域の状況に関わらず、児童生徒の学習の機会を保障するため、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 あわせて、いわゆる「秋季入学」についても申し上げておきたいと思います。「秋季入学」については、新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休業が長期化する事態を想定した対応の選択肢の一つとして検討を進めてきたところです。本件は、社会全体に影響を及ぼすものであることから、文科省を中心に、各府省の協力をいただきながら、課題と対応策の整理を行ってまいりましたが、就学前の子供に与える影響ですとか、保護者の理解、学校や市町村など現場の負担、在学期間が延びることへの懸念など様々な課題があり、与党の皆さんからも慎重な検討を求める提言をいただいたところです。こうしたことを踏まえ、制度として秋季入学を直ちに導入することは想定しておりませんが、これまでの議論の中で、大学の国際化の推進ですとか、教育上のメリットがある等の意見もあり、今後の新しい教育の在り方を考えていく中で、継続して検討していくべき課題と認識しています。一方で、今後、新型コロナウイルス感染症による更なる影響が生じる可能性があるため、引き続き、子供たちにとって最高の選択肢は何かということを第一に考え、あらゆることを想定しながら、慎重に対応してまいりたいと思います。
 もう一点なのですけれども、教員の皆さんの免許の更新制についてご報告します。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、教員が学校教育活動の中で、子供たちの「学びの保障」に注力していただけるよう、本日、教員免許状の延長に関する通知を発出することとしました。具体的には、教員の業務量の増大等、新型コロナウイルス感染症の影響が、免許状の更新講習の受講が困難な「やむを得ない事由」に当たるとして、教員免許状の有効期限の延長を行うことが可能であることと等について、各都道府県教育委員会に対しお示しするものです。今回の通知で示した例に従って、各都道府県教育委員会が教員免許状の有効期限の延長を行った場合、例えば、令和3年3月31日に更新期限を迎える教員は、令和5年の3月31日まで最大2年間、有効期間が延長され免許状の更新講習の受講期間が確保されることになります。また、教員本人の希望によっては、有効期間の延長を行わず、予定の期日までに更新を行いたい、そういう方に対してはそういう対応もしていきたいと思います。各都道府県教育委員会においては、学校教育活動の状況や個別の教員の希望等を踏まえ、適切に対応していただきたいと思います。私からは以上です。

記者)
 今週ですね、東京大学がゲノム編集技術を使ったPCRというのを開発して、これが大体40分くらいで判定ができるというものなんですけど、こういった先端技術を使ってですね、コロナ対策をする、それの実用化を早めるような取組というのを文科省としてどのようにしていくかというのがまず一点と、このような新型コロナという非常事態というか、そういう予想していなかった事態に対して先端技術、大学の基礎研究が役に立ったというような好事例かと思いますが、大臣として基礎研究、研究に関して取り組んできて、今まで良かったという、何か感想と言いますか、そういったものがあれば教えてください。

大臣)
 東京大学の医科学研究所におきまして、ゲノム編集技術の応用による新型コロナウイルス感染症の迅速診断に繋がる成果を発表されたと承知しています。ちょっと私、技術的なことはどういうことか分からないのですけど、本成果は、国内で開発されたゲノム編集技術を用いたもので、文科省としては、科研費ですとか創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業を通じて支援を行ってまいりましたので、その大きな成果だと思います。我が国の誇る基礎研究が新型コロナウイルス感染症対策に貢献していくことは大変喜ばしく思っております。基礎研究は社会のイノベーションの源泉となるシーズを生み出すとともに、新たな知的・文化的価値を担う重要なものです。文科省としても、引き続き、一層、支援を深め、関係府省と連携しながら全力で取り組んでまいりたいと思います。すでに一度、ご報告しましたけれども、まだ完成をしていないスーパーコンピューターを暫定的に開放して研究機関にもお使いをいただいております。今日、ニュースなどで、国土交通省などとも関連した研究内容についての発表が報道されているように思いますけれど、文科省のほうでもこういったものも使っていきたいと思いますので、ご指摘がありましたように、このコロナを機にですね、足元をしっかり見て、日本の持っている科学技術、どういう潜在的な力があるのか、もちろん創薬の部分などで最前線で頑張っていただいている方もいらっしゃいますし、検査方法ですとか、あるいは除菌方法ですとか、様々なアイディアがこの間、出てくると思います。ぜひ、日本の基礎研究の強みというものをしっかり世界に発信してですね、この機会にですね、あえて申し上げればビジネスまで繋がるような、そういう日本初の、コロナ後のですね、新たな日本の成果というものを世界に発信できればありがたいなと思っていますし、文科省としては、引き続き、そういった基礎研究を支えていきたいと思っています。

記者)
 「学びの保障」について二点伺います。一点ずつお願いします。まず一点がですね、今週、自民党さんの提言の中で、学年の終わりを延長できるという特例措置を盛り込む要望があったと思います。それについて、大臣、今後、検討に入れていくのか、検討に入れていく場合、それの何を検討するのか、お願いできますでしょうか。

大臣)
 お尋ねの提言につきましては、まず、「学びの保障」パッケージによって、各種の取組を組み合わせて、可能な限り、年度内に必要な指導を終わらせるよう各学校の取組を全力で支援してまいりたいと思います。その前提に立った上で、例えば、大学入試に日程については、現在、全国高等学校長の協会に対してアンケート調査の実施を依頼したところであり、こうしたアンケート調査の結果も十分に踏まえ、高校・大学関係者等協議の場において、感染症の専門家も交えて議論を行い、6月中に入試の日程や方法などを記載した「大学入学者選抜実施要項」を策定・公表したいと考えています。また、来年の高校入試に関しては、一般的に高校入試が都道府県ごとに行われるものであるため、域内の中学校の臨時休業や学習進捗の状況が比較的一様であることが想定されるとともに、実施者である都道府県教育委員会等が域内の中学校における学習状況を把握しやすいことなどを踏まえて、実施者の判断において、地域における学習状況を踏まえ、出題範囲や内容、方法について工夫を講じていただくことをすでに依頼をさせていただいております。このため、現段階では、来年の高校入試は、感染症対策をしっかりと講じた上で、例年と同様の時期である1月から3月に実施いただきたいと考えております。その上で、仮に、新型コロナウイルス感染症の第2波などにより、再び臨時休業が長期に渡るなどし、「学びの保障」で対応しきれないような状況が生じた場合において、与党からの提案も含め、子供たちの学びの時間を確保するために様々な方策を選択肢に入れておく必要があると考えております。いずれにしましても、子供たちのための最高の選択肢は何かということを第一に考えていくことが重要であると考えており、あらゆることを想定しながら慎重に対応してまいりたいと思います。

記者)
 あともう一点お願いします。教員の加配についてです。今、第二次補正予算案で3,100人分の教員の加配がついておりますが、小学校6年生、それから中学校3年生の学級数、全国で65,000学級あります。現在の3,100人という数で足りますでしょうか。若しくは、今後、増員も含めて、大臣のお考えがありましたらお願いできますか。

大臣)
 教員の加配を含めた支援体制なのですけど、昨日も参議院の文科委員会の中でも質疑をいただきまして、算定の3,100人の根拠については説明をさせていただきましたが、子供たちの学びを保障するためには、しっかりとした学校教育をサポートしていくことが大事です。このため、全校、学校全体のですね、指導体制の充実に向けて、地域の感染状況に応じて、小中学校の最終学年を少人数編成できるよう、教員の加配3,100人を計算しました。各学校に1名から3名程度配置できるように、学習指導員につきましては61,200人。それから、当初予算と合わせて、概ね各学校に1人配置できるよう、スクール・サポート・スタッフ20,600人。追加措置に必要な経費、合計約310億円を第二次補正予算案に計上したところです。一次補正予算においても、学習指導員の20,000人分の追加配置に係る予算を計上しており、当初予算、第一次補正予算、それからこれからご審議いただく第二次補正予算案を最大限活用して、子供たちを誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障することができるように、自治体からも丁寧に要望を聞き取りながら、必要な支援で、全力を、取り組んでまいりたいと思います。人的体制の支援に加えて、教育委員会の人材確保を後押しするため、「学校・子供応援サポーター人材バンク」を、すでにこの記者会見でもご報告しましたけれども、4月に開設以来、おかげさまでOBの教員などを中心にですね、現在10,000人を超える方々がご登録をいただき、すでに随時、都道府県や政令市の教育委員会に情報提供をさせていただいております。改めて、全大学、退職教員、またPTAの関係者に対して、周知のお願いをしたところでございます。また、学生の活用に向けて、教職課程にいる教育実習の一部について、これ教育実習ができなくなっておりますので、学習指導員の活動を行うことにより代替可能とする特例を設けさせていただきました。各教育委員会や教職課程を置く大学に対しても、再度、周知を行ったところでございます。さらに、学習指導員やスクール・サポート・スタッフ等として、すでに当初予算分として計45,000人。第一次補正予算分として17,000人の人材が各教育委員会において確保される見込みとなっており、これらの方々の勤務時間の積み増しや複数校の兼務等による対応も想定しながら、今回の追加配置分に対する人材確保が進められている予定なので、突然3,100人というと、学校数やクラス数で割り戻すと足りないじゃないか、とこういうご指摘もあるかもしれないのですけど、一次補正と本予算と二次補正で段階的に今申し上げたような周辺スタッフを積み増しをさせていただいておりますので、十分かどうか、そこはちょっとまだ、これは始まってみないとですね、この間の休みをどうカバーできるかっていうのはありますので、まずは要望の強いところに配置をして、しっかりやってもらいたいと思いますし、仮にですね、仮にさらなる要求が地元からあるとすれば、これはまた考えなきゃいけないと思っています。

記者)
 昨日のですね、総理との面談の関係でお伺いしたいんですけれども。総理のほうからですね、文化、スポーツ、勉強のいずれも応援をというような発言があったかと思うんですが、昨日、ちょうど陸連のほうで、中高の全国大会を10月に実施するという方針を決めて、発表がありました。こうした動きにも関係して、文科省としてどのように支援を行っていくか、あるいは具体的な何か検討しているものがあれば教えてください。

大臣)
 昨日ですね、官邸において総理と少し時間をかけて、今後の「学びの保障」について、文科省が作ったパッケージについてご説明をさせていただきました。その際に、総理からは、特に、最終学年となる小学校6年生や中学校3年生、また高校3年生たちに不利益が被らないように、進路なども含めて、しっかりとした体制を組んであげてほしいというそういうお言葉がございました。加えて、かねてから、インターハイの代替大会ですとか今回の二次補正予算に、できるだけ文化やスポーツ、この高校時代・中学時代、頑張ってきたことがちゃんと証しが示されるように、すでに全国大会が中止になってしまっていますけれど、それに代わるようなですね、都道府県やブロックでの大会の開催を、お願いをしている報告をしましたところ、コロナの収束状態、前提ですけれど、例えば、夏から秋にかけて、比較的落ち着いている環境だとすればですね、さらにその上の大会を目指したい競技があるのだったら、そこはしっかりサポートして差し上げたらどうかというこんなお話がありました。リモートで開催する文化祭や、あるいはスポーツでもですね、例えば、武道など、直接その選手が組まないで型などを評価するものについては、リモートでの全国大会も考えているようなので、これはあの、ぜひ、国を挙げてしっかりその皆さんの思いというものに寄り添って応援をしていきたいなと思っています。その上で、今、昨日、報道にもありましたけれども、日本陸連の皆さんが、やっぱり同じ思いでですね、我々のインターハイに代わる大会をという要望を受けていただいて、中学生の全国大会に類するもの、高校生の全国大会に類するものを、それぞれ横浜、広島で開催すると発表があったことは承知していますし、またその日本陸連の取組には、高く評価をしたいと思います。その上で、我々としても、文科省やスポーツ庁と連携しながら、陸連の皆さんと接触をさせていただいて、このコロナでですね、本当に辛い思いをした高校生や中学生の応援として、例えばこの、今、ご指摘のあった陸上で申し上げればですね、オリンピックが1年延びましたので、聖地であります国立競技場を、ぜひ子供たちに使っていただくことなども、組織委員会とも相談をしながら、陸連のほうには提案をさせていただきました。陸連の発表によりますと、特に、高校生の大会が10月末になっていますので、そうすると大学のAO入試や推薦入試にその成果が反映できない可能性があるので、せっかく準備していただいているのにご迷惑をかけちゃいけないなという遠慮の気持ちとですね、そういうその周辺情報も陸連の皆さんに改めてインプットをさせていただいた上で、例えば、時期を少し前倒しをして、子供たちが国立で走ることで大きな目標になるのだとすれば、そういった環境については、国を挙げてしっかり応援していこう、そのことは昨日、総理とも相談をさせていただいて、陸連にもお伝えをさせていただいたところでございます。

記者)
 「学びの保障」について、冒頭で言及のあった学びの重点化についてお尋ねしたいと思います。子供同士だったり子供と先生のやりとりがより重要な共同学習だったり実験だったり、そういったものに優先的に授業時間を使っていって、一人でできるかなというものはなるべく授業外や自宅でというようなことを前からおっしゃっていたと思いますが、今までも、休校中に家庭の負担に悲鳴を上げている親御さんが結構いました。これから学校が始まるとは言っても、授業時間の母数が少なくなっちゃっているわけで、どうしても家庭の負担増は避けられないのかなと思います。また、塾に行ける・行けない、オンライン環境がある・なしでも学習格差が広がることも懸念されます。そういうことに対してどう思われているかと、何か打てる手はないのかというところについてお聞きしたいと思います。

大臣)
 まず、今回の学びのパッケージを全国の自治体に発出させていただいたのは、これあの、コロナで長期休業が始まった時からですね、その後の再開後の授業のあり方については、各教育委員会、現場設置者で精選してほしいというお願いはしてきたのですけれど、そうは言ってもですね、じゃあ、それぞれの教科で、どの部分は教室での対面で授業することが重要で、どの部分は、例えば、自分で自習をすることでも十分理解できるかということを、現場の先生方に全部プランを作ってくれというのは、これ大変なことだと思います。そういうことで、実は、画期的だと思うんですけど、全ての教科書会社の皆さんと文科省と連携を取りながら、小学生から中学生、全ての義務教育の教科ごとのですね、しかも、その教科書ごとの中身について、これから先3月までの間にどうやって授業で使ったら有効かということを、言うならば精査したものを発表させていただくことになりました。その結果としてですね、決して勉強しなくていいと言うんじゃないのですけれど、これは教室の授業の正式な時間内であえて取り扱わなくてもどこかで自分でフォローしてくれればいいんじゃないかということを、ある程度のボリュームで示させていただきました。それはですね、大前提としてその、家庭のお父さんやお母さんに丸付してくれ、判断してくれということじゃなくて、さっき申し上げたように、周辺人材を多く派遣をします。例えば、正規の授業が終わった後に学習指導員の皆さんに放課後見てもらって、家でやったものを見てもらって、その確認で習熟度のしっかりとした成果をしてもらうようなことを、イメージとしては考えております。オンラインでというお話もありましたけど、家庭環境様々ですから、学校が再開すれば対面でそういったことのやりとりができると思いますので、決して家庭に負担をかけるということではなくて、一斉の授業以外の場で、学習指導員などの活用をしながら、学校として個別の指導を行うことを、イメージをさせていただいております。いずれにしましても、その部分は学ばなくていいのだということの誤解がないようにですね、それはどこかで学んでもらわなきゃならないので、学校での授業計画の中から外へ出しますけれども、それは、それぞれ先生方の指導の下ですね、ちゃんとやっていただいて、そしてそれをまたやりっ放しじゃなくて、ちゃんと分かったかどうか、確認ができているかどうかということは、今申し上げた様々な周辺スタッフの皆さんにもご協力をいただいて、正規の授業以外で確認するということを徹底していきたいなと思っています。

記者)
 ある程度その家庭の負担ということはあるかもしれないが、それを低減させるためにそういう学習指導員だったり、そういうサポートを考えていらっしゃると、そんな理解でよろしいですか。

大臣)
 中学3年生の勉強など、もう家庭の人に見てくれといっても、これ結構大変ですよ。ですから、そうではなくて、教室ではやらないけれど、これはすごく誤解があるのですけど、教科書って1頁目から最後の巻末まで、全部、授業でやらなきゃいけないかっていうルールにはなってないのですね。なってないというか、もちろん使わなきゃならないのですけれど。しかし、その中でそれぞれ学習指導計画を立てて、それぞれの学校や、あるいは先生が授業計画を立てますから、その中からこれだったら教室でやらなくていいですよということを、先生に決めてもらうのが本来なのだけれど、それはすごく負担だろうから、この事態で、2ヵ月も休みがあった後に、先生の判断でこれを抜くというのは負担だろうから、教科書会社とも相談して、うちの教科書の専門官たちも加わってですね、この部分は、じゃあ、対面じゃなくて自宅でということにしました。ただ、それはあくまでご自宅のですね、ご家庭の皆さんに見てくださいねということではありませんので、学校教育の一貫ですから、ちゃんと何らかの形で、学校で最後、言うなら引き取って、刈り取りをしっかりしてですね、そして、学びがしっかり定着しているかどうかの確認はさせてもらうのでそこはそんなに心配ない。もちろん、一生懸命、お母さんたちが一緒に見てくれるというご家庭があったら、それは否定しませんよ。だけど、それを前提にはしていませんので、大丈夫だと思います。

(了)

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