萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年11月29日)

令和元年11月29日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

大学入学共通テストにおける記述式問題に関する件、甲子園などの夏期のスポーツ活動に関する件、学校ICT環境の整備に関する件、桜を見る会に関する件、「大学入試英語成績提供システム」の導入の延期に関する件、日本人宇宙飛行士の今後の宇宙船登場予定に関する件

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和元年11月29日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年11月29日)

令和元年11月29日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは冒頭ございません。

記者)
 大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題について、受験生や教育関係者などからの反対の声が高まっています。採点の公平性を担保する難しさなどが国会審議でも取り上げられている状況ですが、改めて記述式問題の導入について見直すお考えはございますでしょうか。

大臣)
 各社の世論調査や全国高等学校協会のアンケート等において、大学入学共通テストの記述式問題の導入については、否定的な意見が多くなっている状況は承知しています。記述式問題の導入については、解答を選択肢の中から選ぶのではなく、文や文章を書いたり、数式等を書いたりすることを通じて、思考のプロセスがより自覚的なものとなることにより、また、より論理的な思考力・表現力を発揮することが期待されます。また、高等学校に対し「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業の改善を促していく大きなメッセージにもなると考えています。一方、記述式問題の導入については、様々な課題が指摘されていることも承知しており、課題解消に向け、どのような改善が可能であるか、大学入試センターや採点業者とも連携しつつ様々な方策について検討し、一つ一つ解決の努力をするとともに、記述式問題導入の意義を一層丁寧に説明してまいりたいと思います。

記者)
 話題が変わりまして、夏の甲子園に関して伺います。先日の委員会で大臣も発言されたところなんですけれども、高校野球を巡って高野連の有識者会議がですね、球数制限を求める答申を先日出されまして、本日の理事会でもそれが議論されるということなんですけれども、そういった球数制限、もしくは過密な日程を含めてですね、夏の大会の在り方というものの議論のきっかけにもなるのかなと思うんですけれども、大臣としてのお考えを改めて伺いたいのと、あとですね、野球だけに限らずオリンピックもですね、夏季開催ということを巡って、是非というか、在り方が議論されているところでもあるんですが、そういったちょっと幅広い視点からも御意見があれば伺いたんですけれども。

大臣)
 先日、11月27日の衆議院の文科委員会において私の発言はですね、議事録を見てもらえば分かるんですけれど、なにか想像していた通り見出しはですね、夏の甲子園無理というのだけが出ていましたけれども、こういうことを言うと明日のスポーツ新聞はそういうふうになるかなということも想定を申し上げた上でお話しましたけれども、私、申し上げたのは、突然の指名だったので答えは用意していないということをまず申し上げました。その上で、スポーツ庁と足立議員とのやり取りを含めた感想をお答えして答弁に変えさせていただきたいということを申し上げたうえで、一つの尺度として「IOCのアスリートファーストの観点から」すれば、夏の甲子園大会は無理があるという、こういう感想を申し上げたまででございまして、まず、その夏の甲子園の大会を辞めろとか、中止すべきだということを申し上げたつもりは全くありませんので、まずそのことは確認しておきたいと思います。一方ですね、球数制限などの選手に対しての配慮というのは評価をしたいというふうに思います。他方ですね、猛暑日が続く近年の夏の炎天下は、これは率直に申し上げて、高校生にとって過酷な環境です。真夏の甲子園のグランドの上って40度近くになるわけで、なかなか映像になりませんけれど、各チームの選手は攻守の交代のときにベンチ裏に行って首にアイシングを置いてですね、そしてまた守備に出る、攻撃に出るということの繰り返しをしています。そんなことを考えますと健康管理のための対策というのを主催団体である高野連は、もう少しこの際考える必要があるんじゃないかなと思っています。例えば、試合時間の開始を早くするとか、あるいは照明もついてるわけですからナイターなどを有効に使ってですね、日中の温度の高い時には試合を見送るとかですね、あるいは試合の間隔があまりにも近すぎて、準々決勝、準決勝、ここで休みを一回とるようになりましたけれども、あれだけの環境の中でスポーツをやるんだとすれば、もう少し、そのスケジュールについても、この機会ですから考えていただいたらありがたいなと思っています。私、高校野球大好きですけれど、やっぱり選手が最高のパフォーマンスを発揮をしてほしいと思いますし、昨今ですね、足がつる選手が非常に多いですよね、試合中。こういったこともやっぱり気候、環境とも関係があるんじゃないかと思うので、私の発言がきっかけになるんだとすれば、高野連でよく大会運営の在り方も検討していただいたらありがたいなと思っています。

記者)
 さっきの質問に関連してですね、野球に限らずこの時期というのは、高校のインターハイも開かれていて、それ以外の競技というところでも高校生は同じように熱い中でプレーしているわけですが、そういったようなところの大会に関する見直しといいますか、そういったところにまで先ほどの御発言というのは視野に含めているのかというところを教えてください。

大臣)
 甲子園のことだけではなくて、高校生、あるいは中学生も含めてですけれども、近年の夏の猛暑日って非常に多いですから、スポーツをする際には、熱中症の防止など健康管理のための対策に万全を期すことが重要だと思っています。夏季のスポーツ活動自体を否定するものではありませんけれども、各主催団体、主催機関などが、やっぱりその安全管理というのをきちんとよく考えて運営をしてもらいたいなと思ってます。

記者)
 大臣に2点伺います。まず1点目、全国の小中学校の児童生徒にパソコン、タブレットを一人一台無償配備する方針についてです。パソコンを一人一台配備する必要性を改めてお伺いしたいです。また、高速で大容量の通信環境を整備するとなると莫大な予算がかかると思いますが、それでもこうした政策をやる意義や必要性について教えてください。

大臣)
 総理から、経済対策の一環として、令和元年度の補正予算の編成指示があったことを受けまして、現在文部科学省でもSociety5.0時代の学びの実現に必要な学校ICT環境の整備について、補正予算に計上できるように準備と調整を進めているところです。私は、文科大臣の就任の記者会見でも申し上げましたけど、令和の時代のスタンダードな学校の環境の一つとして、ICTの必要性についてはですね、あらゆる場面でも強く主張してまいりました。今回の機会においても、学校ICT環境の整備に必要な予算を獲得できるように全力を尽くしたいと思いますが、その必要性をと聞かれればですね、このSociety5.0時代を迎えて、率直に申し上げて子ども達が大人になったときに、こういった通信機器との接触をしないで日々の暮らしを前に進めることができる職業というのは、どんどん変わってくるんだと思います。それを考えたら、やっぱり幼少期からプログラミングですとか、もっと言えばメディアに対してのリテラシーですとか、こういったものも幼少期から身に付けておくことというのは、今後の日本の将来像を考えたときに極めて大事だというふうに思います。また、今、学校の働き方改革の議論も国会でさせていただいておりますけれども、もちろん黒板やノートに書くということの重要性も決して否定しませんけれども、ICTを活用することによって先生方の働き方というのも大きく変わると思います。少子化の中で、いろんな遠隔の学校の皆さんのいい授業をお互いに公開しあうなんていうことも一つのツールとしても可能だと思いますので、残念なんですけど、今、通年単位で整備してきましたけれども、5.5人で1台のパソコンを覗き込んでいるのが今の日本の子供たちの現状なんですが、OECDの各国と比較しても、これはもう本当に後塵を拝しています。将来の世界の皆さんと伍していくためにも、こういう能力を身に着けていくためにもですね、画面がフリーズするような環境で、5.5人で1台を覗き込んでやっとやっとの授業をやっているようなことではならないと思いますので、この機会にやっぱり、決して高望みじゃなくて、今、予算のことをおっしゃいましたけど、将来のことを考えたらここはしっかり子供たちに投資をしてですね、その平成の時代はパソコンやタブレットって学校にあったらいいなという教材でしたけど、令和の時代は、椅子があって机があるのと同じようにパソコンが1人に1台ある、タブレットが1人1台手元に届く、こういう環境をしっかり作ってですね、もちろん中身の充実も図っていきたいなと思っています。

記者)
 ありがとうございます。すいません2点目です。2点目は、桜を見る会についてです。反社会的勢力が来ていたとされていますが、大臣御自身は、桜を見る会で反社会勢力に会われましたでしょうか。また、大臣が招待された、また推薦された人に反社会的勢力が紛れ込んでいた可能性はありますでしょうか。

大臣)
 現場で反社会勢力の人とお会いをしたという記憶はないですし、また、その方が反社会勢力かどうかっていう判断は、その場ではよく分かりませんでしたけども、意識して会ったことはございません。もちろん私がですね、そういう方を推薦をするようなこともございません。

記者)
 話は大学入試に戻るんですけれども、以前からおっしゃっている英語4技能のですね、評価方法を1年かけて考える検討会議、それからそれまでにとおっしゃった議事録の公開、その辺の人選とかですね、日程が国会後なのかどうなのかといったそういった進捗状況をお聞きしたいのと、あとその今日、国大協が言っていた、国立大学が民間試験の活用を示すという期限の日になっていますけども、こういったものも注視したりですね、あるいは国大協の代表者もその検討会議に入れるなりして1年間、今後話し合っていくことになるのかとか、そのあたりをお聞きしたいんですけども。

大臣)
 常々お答えしていますとおり、必要なプロセスの過程が検証できる資料については、公開を前提に会議に出席をしていただいた皆さんの了解の作業を今、進めています。既に文書で連絡をした後に、接触をいただいて一人一人丁寧に御説明をし、了解をいただく準備をしていますので、これは整い次第ですね、別に時間を何か計って国会が終わるとか終わらないとかそんなことを考えて仕事しているわけではありませんので、1日も早く整理がつけば公開したいと思っています。それに併せて年内には、この私の下に検討会を設置をして、議論をスタートしたいと思いますので、遅くともそれまでにはですね、手続きといいますか、作業を終わらせたいなと思っています。その上で、国大協に限らずですね、1年間という時間を頂きました。決して長くもなく短くもないと思いますので、この間で様々なこの問題に関わる人達についてはですね、できるだけ多くの皆さんからヒアリングをしたり、あるいは継続的に会議に出ていただく方を選んでいきたいと思います。現在は、メンバーなど最終的に決めている段階でございませんので、部局と相談をしながらですね、しかるべき皆さんのメンバーリスティングを今しているというそういう状況です。

記者)
 話題は宇宙の関係なんですけども、19年末にJAXAの野口宇宙飛行士が飛び立つ予定だったんですが、これは米国の宇宙飛行士に変更したということで、現状でですね、日本人宇宙飛行士の国際宇宙ステーションでの滞在のスケジュールはどういうふうになっていますでしょうか。

大臣)
 野口さん、星出両飛行士の具体的な搭乗する宇宙船や時期は、今は決まっておりません。宇宙飛行士の国際宇宙ステーション滞在は、ISS全体の運用や宇宙飛行士の交代計画を考慮した上で、国際調整にて決定されるものであり、今後、両飛行士は、ISSに搭乗するための訓練を継続することとなります。両飛行士が搭乗する宇宙船や時期が明確になり次第、文部科学省やJAXAよりお知らせをしたいと思います。

記者)
 先ほど同じような質問が出たかと思うんですけれども、国立大が、今日、個別に英語の入試対応を発表するかと思いますが、改めて大臣の所感をお願いいたします。

大臣)
 国立大協は、11月29日、これは向こうが日程を決めていただいて、受験生の皆さんにできるだけ早くですね、この英語の試験の活用をどういうふうにするかということを明確にしていただく予定でございます。英語成績提供システムの導入延期に伴って、国立大学における英語民間試験の活用方針の修正を受験生の立場に立って、可能なかぎり早期かつ同一日に公表されるということで今日の日付を設定をしていただきました。国立大学協会によれば、本日正午頃に同協会のホームページにリンクを掲載し、各大学の公表内容を確認できるようにする予定とのことです。今後、文部科学省としましても、各大学の変更の状況を把握し、丁寧に情報提供をしてまいりたいと思います。

(了)

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大臣官房総務課広報室