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平成20年8月26日大臣会見概要

平成20年8月26日(火曜日)
10時44分〜11時3分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 本日の閣議の報告をします。我が省関係では、日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令、並びに同法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令について了解を頂きました。また、人事について、9月1日付けで文化審議会、文化功労者選考分科会に属する議員の指名について了解を頂きました。その他特に報告することはありません。閣僚懇談会で、斉藤環境大臣から「次世代自動車の霞ヶ関における率先的導入」について、大臣公用車の次世代自動車への買い換えを進めてほしいという発言がありました。洞爺湖サミットを始め、温暖化対策の一つと思いますが、私からも、文部科学省の大臣車は既に低公害車になっていて、平成26年に買い換えの時期がきますと申し上げ、また、私は環境部会長だったこともあり、環境政務次官の頃からずいぶん議論をしましたが、かねてから考えていた、例えばプリウス等色々な車種の低公害車が走っていても低公害車かどうかわからないので、地球環境を十分認識している低公害車のオーナーに対し、誇りにできるようなインセンティブを与えられないか、地球環境に貢献してる車と一目でわかるようなマークでも考えて、もう少し広げたらどうでしょうということを斉藤環境大臣に申し上げました。

記者)

 北京オリンピックが閉幕しました。オリンピックについての大臣の所感と、日本選手団の成績に関する評価、それを踏まえたスポーツ振興の具体策についてお聞かせください。

大臣)

 北京オリンピック全体について感想を申し上げれば、様々な懸念すべきこともあったのは事実ですが、相対として成功裏に終わりました。これは慶賀に値すると思います。世界各国、各地でのスポーツの交流というものは、人類の発展に大きく貢献するものであり、その象徴としてオリンピックがあるわけですから、人類にとって非常に大きな意義のある大会であったと思います。また、中国の内政に干渉することはあってはならないことですが、中国の民主化、あるいは国際社会への中国の開かれ方と言いますか、あるいは、例えば国民の環境に対する認識の深まりとか、そうした大きな宝物を中国にも与えてくださったと思います。我が国の選手団に関して申し上げれば、金メダル9個、金銀銅のトータルで25個というメダルの数は、競技関係者が目標としてあげていた数字よりは少し低いのでしょうが、しかし8位以内の入賞者で見てみれば、前回アテネオリンピックのときの77人とまったく同数ですから、大変な健闘ぶりであったと思います。私自身も開会式に出させて頂き、また、その後もスポーツが大好きな人間ですので時間のある範囲でテレビ画面に食い入るように見ていましたが、感動の涙もあったし、悔し涙も選手は流したし、痛恨の顔をしている人もいたし、その選手の一挙手一投足と言いますか挙動すべてが、スポーツの持つ感動とか、喜びとか、誇りとかというものを、国民に与えてくれたと思います。何より、日本選手団全体には、何一つと言って良いほどアンフェアなことはありませんでした。見事な闘いぶりだったと、スポーツを所管する者として、本当に選手の皆さんに頭の下がる思いです。4年後はロンドンオリンピックになりますが、日本の選手の活躍は日本の国民の喜び、あるいは活力、国全体の力の源泉となりますので、北京オリンピック以上の好成績をあげて頂けることを期待しています。そのために、文部科学省としても、例えば新しくナショナルコーチを設置する等の支援方策も検討しているところです。これは、17競技に、言ってみれば、監督コーチとよく相談のできるヘッドを置くというものであり、来年から要求したいと思っています。そして、ロンドンの4年後のオリンピックについては、4つの開催候補地の一つに東京も入っていますので、誘致実現に向けて、最大限の努力をしていきたいと思います。
 なお、今日、金メダリストと関係者の皆さんが、12時半に大臣室にお見えになります。私の趣味に近いのですが、『日本一短い「母」への手紙』という本がありまして、これを縁のある方々に時々差し上げています。今回、特に金メダリストの方々の活躍に、国民の一人として感謝を申し上げたいものですから、「お祝い」だけではなしに、「感謝」とも書いて、サインをして差し上げるつもりです。

記者)

 秋の臨時国会が9月に招集、70日間ということで昨日から報道されていますが、文部科学省として、この臨時国会については何か具体的な、法案その他のお考えは現在ありますでしょうか。

大臣)

 いえ、特に大きなものはありません。ただ、補正予算の審議が中心になるわけですし、一方で安全安心な国民生活を目指す措置等も議論になってきますから、当然文部科学省にもやるべきことがあります。

記者)

 直接、文部科学省の関係ではないのですが、いわゆるテロ特の扱いをめぐって会期についても、総理のリーダーシップを含めて、色々巷で言われていますが、9月12日から70日間の日程について大臣はどのようにお考えですか。

大臣)

 自民党の国会対策委員会を中心に、総理の意向も聞き、公明党とも協議しながら決められたことですから、文部科学大臣として申し上げることはありません。ただ、御存じのように臨時国会は会期延長は2回まで可能ですし、最近の政治というのは、本当にますます一寸先は闇という、何が起きるかわからない状況ですから、9月12日に招集されて、客観情勢も含めて自民党の執行部が公明党とも協議をしながら、場合によれば民主党を始め野党の方々との政党間協議も進めながら、協議ができればですが、慎重に国会運営をしていくものと思います。先程の閣議の場で、町村官房長官から昨夜そういう決定がありましたという報告はありましたが、他に発言はありませんでしたし、私からとやかく申し上げることはありません。

記者)

 ナショナルコーチについて、従来の監督やコーチとはまた別にナショナルコーチを新任するということですが、その点に関してはどのようなお考えでいらっしゃいますか。

大臣)

 もちろん監督、コーチも熱心にやってくださっていると思いますが、やはり皆が衆知を集めることが絶対に必要だと考えています。このため、17競技に限って、もっと大所高所から選手の育成にアドバイスができる見識の高い方に対し、ナショナルコーチの委嘱を行う制度を検討しています。いずれにせよ、具体的な制度設計はまだこれから考えていきます。

記者)

 先程北京オリンピックを、中国の民主化に貢献したというふうにおっしゃられたのですが、どの辺でそれを大臣としてはお感じになられたのでしょうか。

大臣)

 全般的に非常に開かれたという感じを言ったのです。私は、中国とはずいぶん長いつきあいをしていますから、事前のチベットの問題、開会中の色々な宣言等もあったのでしょうが、取り立てて騒動らしきものはありせんし、中国国民はものすごいエネルギーを、このオリンピックで得たと思います。この流れは加速することはあっても逆戻りすることはないと思っています。東京オリンピックの時も、新幹線が開通したりして、日本の経済は画期的な転換を遂げました。中国は、もう既にすごい発展をしていますが、バランスの取れた発展ということを、北京オリンピックを通して感じると思います。例えば、自動車の交通規制を奇数偶数でやってみたり、オリンピック用に中央に専用道路を造ったりしました。つまり、自動車に関してだけを見ても、それだけの知恵を発揮されたわけです。とりわけ私は中国に行く度に、日本において、高度成長が生んだ公害を大変な苦労をして克服した例を、ぜひ中国にも参考にして取り組んで欲しいと十何年言い続けて来ましたが、段々わかってきてくれたと思います。私は全地球的に見てもとても良いことだと思っています。

記者)

 太田誠一農林水産大臣の事務所費の不適切な使用があったと、一部報道がありましたが、今日の閣議若しくは閣僚懇談会でそれについては何かありましたか。

大臣)

 いえ、まったくお話はありませんでした。新聞で報じられているのは見ましたが、事実もわからないし、私がコメントするものでもないと思います。よくわかりません。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)