ここからサイトの主なメニューです

平成20年5月9日大臣会見概要

平成20年5月9日(金曜日)
9時34分〜9時50分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議ですが、特にご報告する案件はありません。閣議後の大臣発言として、冬柴国土交通大臣より、平成19年度の国土交通白書について、あとは連休中に海外へ出張をされておられました岸田科学技術政策担当大臣がエジプト、上川少子化対策・男女共同参画担当大臣がオマーンとアラブ首長国連邦、高村外務大臣がパキスタンとアフガニスタン、私からは第1回アジア欧州教育大臣会合、若林農林水産大臣からブラジル、額賀財務大臣からアジア開発銀行年次総会について報告がありました。また、額賀財務大臣からは、サイクロンの被害を受けたミャンマー本土に対し、1千万ドルを上限とする緊急支援を行うという報告がありました。

記者)

 先ほどのお話にありました、アジア欧州教育大臣会合での成果と、第1回目ということの意義について、お願いいたします。

大臣)

 今ご質問にもありましたように、第1回目ということで、テーマは、「未来のための教育訓練−アジアとヨーロッパの共通展望−」ということでした。具体的には、アジア、ヨーロッパ、それぞれにおける学生等の流動性や、両地域における高等教育機関等の組織的な協力等について、意見交換が行われました。高等教育機関のグローバリゼーション、国際化については、今色々なテーマがあるところでして、今年1月、日本で非公式に開催したOECD非公式教育大臣会合では、評価がテーマになったわけです。特にヨーロッパ地域では、域内の大学の連携が急速に進んでいまして、エラスムスにおいて、お互いの提携、ダブル・ディグリーというような取組について進められています。そして、アジアにおいてもUMAPという組織体が連携を進めようとしているところですが、単に域内だけではなく、相互が連携をすることによって、高等教育のそれぞれの質を高めるとともに、評価の共通性を高めていこうと試みているところです。それぞれの参加国が意見を表明し、また各国の教育事情等をプレゼンテーションするということで、特に今、福田総理の下で進めています留学生30万人計画等について、私から説明をさせて頂きました。今後、この会合を通じて、より一層、アジア、ヨーロッパ地域の国々の中で、教育の国際交流が進展していくことに期待を寄せています。どの参加国も、大変活発な発言をされていたことが印象的でした。

記者)

 このところ、教育現場におけるPTA費の着服ですとか、修学旅行の積み立て金の横領など、汚職事件が多く続いていますけれども、文部科学省として他の教育委員会から報告を求めるなど、実態把握の状況についてと、また、校長自身が横領をしていたというケースもありましたが、これについて大臣のご所感をお願いします。

大臣)

 これは、とんでもないことだと思っております。実態は適宜把握をしていると聞いています。平成18年度で25件と聞いていますが、保護者が積み立てたお金を着服する、また横領するということはあってはならないことと考えます。特に指導的地位にある校長が、そのようなことをする例もあるようで、一言で言えば、言語道断というのが、私の印象です。常時、こういったことが起こらないよう、都道府県教育委員会等を通じ指導を行っていますが、このようなことが起こるのは、残念というのが率直な今の印象です。制度に起因するというより、どちらかと言うと、個人の倫理というものに非常に大きく関係すると思われるわけですが、このようなことが起こらないようにするために、我々もより一層適切な指導を行っていきたいと思っています。

記者)

 教育振興基本計画の、文科省案作りについて、どのような具合か改めてお聞かせください。

大臣)

 若干遅れておりまして申し訳ありません。連休前に、私は一両日中に作りたいと申し上げましたが、色々な会合等もありまして遅れています。すでに御存じだと思いますが、今朝も歴代の文部大臣、文部科学大臣の意見を聞く会議をやっておりまして、色々な関係者の御意見を元に、できるだけ早急にまとめていきたいと思っています。

記者)

 数値目標については。

大臣)

 与党からも、数値目標を入れるべきだという御意見が出ています。それを受けて、どのような入れ方があるのか、また、どのように入れるのが計画にとって一番ふさわしいのか、ということを中心に、私としては入れるべき方向で考えていきたいと思っています。

記者)

 時期については。

大臣)

 これは先ほども申し上げましたように、できるだけ早急にと思っています。当初は年度内に答申を頂く予定でしたが、それを越してしまいました。また、計画案としては連休前にと考えていたわけですが、連休を挟みましたので、連休後になっています。時間を急げば良いというものではないと思いますが、出るべき論点というのは出ていると思いますので、それを踏まえて、できるだけ早急にまとめていきたいと思っています。

記者)

 いつ頃までにという部分で以前おっしゃっていたことと同じことを今の時点で言えるのでしょうか。

大臣)

 一度私は、一両日中にと申し上げて、遅れていますから、できるだけ早急にまとめていきたいということで、今日のところはお答えをさせて頂きたい。

記者)

 昨日もまた、子どもが事件に巻き込まれました。文科省として、治安と言いますか、安全について、どこまでやるべきなのか、警察との関係の中で、どこまでやるか、非常に体感的ですが、子どもが巻き込まれるという印象が広がっていると思うのですが、この辺について大臣としてはどう対策、対応していくのが良いか、お考えがあればお願いします。

大臣)

 これは従来から大変大きな問題だと思っています。以前も申し上げたのですが、やれるとしても登下校の経路までかと思います。それ以上広がったときには、当然なかなか対応しきれない。例えば昨年の10月、私の地元兵庫県でも女の子が刺されるという事件が起こりました。これは家へ帰られた以降、事件が起こりました。こういったものに、学校がどのような対応ができるかということになると、これは限界があると思います。そこまで責任を持ってやるということになれば、今の態勢では無理だと考えます。やはり、地域の協力というものが無ければ、登下校にしても限界がある。これは、単に学校の問題ではなくて、警察という話もありましたが、地域の安全という意味での、地域社会の問題でもあるわけです。どのような形を取るのが一番良いのかは地域によっても差があると思います。私の地域では、多くの自治体なり、様々なボランティア団体から労力を割いて頂いて、地域の安全を確保して頂いていると承知していますが、こういうことが、非常に大きな効果となっていると考えています。日本は日本の考え方があって良いわけですが、例えば海外の例を見ると、ほとんどの国で学校へ行くまでは親の責任なのです。そういったことも含めて、今の学校現場の現状を含めて総合的に考えなければいけないと思います。ただし、学校においても、安全マップを作ってしっかりと子どもたちに周知徹底を図るとか、こういう時には気をつけなさいよとか、こういう場所が危険な場所ですよということを教えることは、しっかりとやらなければいけないと思います。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)