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平成20年4月15日大臣会見概要

平成20年4月15日(火曜日)
9時35分〜10時7分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 本日の閣議は一般の通常案件の他、農林水産大臣から緑の募金の件、財務大臣から中央銀行総裁会議の件、環境大臣から中国出張の件について各々報告がありました。もう一点、法務大臣から裁判員法の施行期日、例の裁判員制度の関係ですが、平成21年5月21日から実施するという報告がありました。閣議後の閣僚懇談会で、厚生労働大臣から長寿医療制度に係る保険料の年金からの徴収等に関して、制度の説明について今後ともしっかりと理解して頂くように努めるという発言がありまして、閣僚間で若干の意見交換が行われました。

記者)

 国立大学の施設発注を巡る汚職事件について、省内に調査チームを立ち上げられましたが、調査の進捗状況を聞かせて下さい。

大臣)

 本件については、4月7日以降、警察の捜査の状況も見守りつつ、調査チームにおいて、省内幹部並びに文教施設企画部の幹部OB等に対して事実関係の聞き取り調査、加えて再発防止に対する検討を行ってきました。
 事実関係の聞き取り調査の進捗状況については、まず、文教施設企画部の課長補佐級以上の職員の中には、倉重容疑者と面識のある者がおり、この中には、ゴルフや会合の際に倉重容疑者と一緒になったことがあるとする者もいるということですが、記憶上のことですから、必ずしも明確でない者もいるために、さらに詳しい事情について、引き続き調査することとしています。またOBについては、文教施設部長又は文教施設企画部長及び技術参事官のOBを聞き取りの範囲として行ったわけですが、その中に倉重容疑者と面識のある者がおり、この中には、先程同様、ゴルフや会合の際に倉重容疑者と一緒になったことがあるとする者も若干名いたわけですが、この件についても必ずしも記憶が明確でない者もいるため、さらに詳しい事情について引き続き調査をすることとしています。その他の省内幹部、これは文教施設企画部以外の課長級以上ですが、これまでのところ、倉重容疑者の名前を聞いたことがあるという者はいたものの、面識がある者は確認されていません。なお、これらの詳しい中身については、捜査に支障を及ぼすおそれもあると考えられますので、現時点では、これ以上詳しく申し上げることは差し控えさせて頂きたいと思います。
 次に、現在、五洋建設及びペンタビルダーズ株式会社が工事を受注した国立大学法人等について、その過程に問題がなかったか等についても調査していまして、今週半ばくらいには一定の状況が把握できると思っています。国立大学法人等での調査ですから、時間が少し掛かっているとご理解下さい。
 一方、先週火曜日の記者会見でも報告しましたが、これらの作業と並行して、本件が生じた要因の検証ですとか、これからの再発防止策の検討を指示していまして、1点目は、国立大学法人等の施設整備事業のプロセスに問題がなかったか。例えば、個別事業について公表の時期は、予算が確定してから各大学に通知をするということが一般的です。これは全ての予算がそうだと理解していますが、予定されていることとしてあらかじめオープンとすることが可能かどうか。今までの段階で分かっていることは、その情報の提供が受注に有利に働いたということですから、こういった点について、今、制度的な問題として何ができるか検討しているところです。2点目は、これは人事の問題ですが、硬直的といわれている文教施設企画部の人事異動の在り方に問題はなかったか。施設系職員にも従来に比べ広く他局課での経験を積ませるという人事配置は、過去に比べると格段に進んでいると考えているところですが、なお工夫する余地はないか検討しています。3点目は、職員の服務規律について、これは個人の倫理の問題になると思いますが、これまでも色々な機会を通じて、しっかりと守るようにと徹底してきたつもりですが、なお改善をすべき点がないか検討を始めています。これらを総合的に勘案して、再発防止の検討を指示しているところです。なお、事件の実態、全容がより明らかになってきたときには、よりしっかりとした調査・検討をしたいと考えています。我が省は捜査機関ではありませんから、調査は聞き取りが中心になりますし限界はあると思いますが、先程も言いましたように、まだ記憶に頼っているところも若干あるわけですから、引き続き、できるだけ事実関係の調査を行うとともに、再発防止策の検討をしっかりと進めていきたいと考えているところです。

記者)

 今の件ですが、面識はあるが記憶が曖昧という部分は、ちょっと矛盾しているような感じがするのですが、これはどういう意味でしょうか。

大臣)

 名前は聞いたことはあるが面識がないということはあるわけです。随分以前の話もあるわけですから、あれが倉重容疑者だったかなとか、あれが倉重容疑者のことかもしれないというふうなことだと思います。これは若干私の推測もありますが、私自身も、例えば、5年前にゴルフをしたときにいたのかなと言われればいたような気もするというのは、あるのではないでしょうか。今のご質問に対しては、そういうことを言った者に対して再度調査をして、記憶を辿ってもらって、より鮮明なものにしたいということです。記憶ですから、確かでないということはあると思います。ただ、色々な話を聞いて記憶が確定する場合もありますし、やはりはっきりしないということはあると思います。そういう意味だとご理解頂ければ結構です。

記者)

 一般の人に分かり易く解釈したいのですが、要するに、倉重容疑者と一対一で会っていたが何処で何時会ったのかという記憶が曖昧なのではなくて、大勢の中の一人が倉重容疑者だったのかどうかという意味で記憶が薄いということなのでしょうか。

大臣)

 必ずしもそうとは特定できないと思います。これは色々なケースがあると思います。私が具体的に面接をしたわけではありませんから、もし必要であれば調査チームから答えさせますが、一般的に私が理解していますのは、名前を聞いてそういう人がいたということは聞いたことがあるとか、会ったことがあるが記憶が定かではないというのは、あの人が多分そうだったのだろうと思うというふうなことではないかと。ただ、面識があるというのは、はっきりと相手が倉重容疑者で、かつ、顔も覚えているといったような認識だと思いますので、そういうことを面接で発言した者に対しては、より詳しく聞くということではないかと思います。何か補足することありますか。

担当者)

 今、大臣が言われたとおりです。

記者)

 何人から聞き取り調査をした結果、およそ何人がそういうふうに面識がある、ないし知っていると答えたかを教えて下さい。

担当者)

 審議官級以上が32名で、文教施設企画部以外の課長級以上が75名いますが、今一人まだ確認ができていません。75名のうち74名です。それから文教施設企画部の課長補佐級以上に聞き取りをした対象は32名です。そのうち、面識があるとか記憶があるといった者の人数については、曖昧な部分がありますので控えさせて頂きたいと思います。

記者)

 OBには何人聞いたのですか。

担当者)

 OBは8名です。

記者)

 つきあいとか、ゴルフというものを確認された中で、一番古いのは何年前でしょうか。

大臣)

 中身については、今警察による捜査もありますので、今の段階では控えさせて頂きたいと思います。

記者)

 その中身なのですが、例えばゴルフによる接待そのものは、捜査に関係なくいけないものだと思うのです。その部分については、捜査に関係なく文科省として一定の説明をする責任があるのではないかと思うのですが、如何でしょうか。

大臣)

 先ほど申し上げましたように、捜査に支障があってはいけませんので、今の段階ではその件についても差し控えさせて頂きたいという判断をしています。

記者)

 聞き取り調査の質問項目といいますか、内容というのは、倉重容疑者との面識とかの他に、どういうことを聞かれたのでしょうか。

大臣)

 基本的には、倉重容疑者を知っているかということから始めまして、先程言いましたように、名前は聞いたことがあるかとか、あるなら面識があるかとか、ゴルフに行ったことがあるかというような質問項目だと思いますが、正確を期すために担当から発言させます。

担当者)

 今大臣が申し上げましたように、基本的には、倉重容疑者を知っているかということから始めまして、知っているという職員に対しては、面識があるかとか、食事をしたかとか、ゴルフをしたかとか、そういった具体的なつきあいの程度について聞いています。その他関連して、「櫟の会」とか「文施OB会」といった名前も出ていますので、それについても知っているかどうかといったことを聞いています。その他、関連事項をケースバイケースで聞いています。

記者)

 現在調査されています、五洋建設とぺンタビルダーズ株式会社が受注した大学の工事件数は、どれくらいですか。

担当者)

 今確認して後ほどお答えします。

記者)

 文教施設企画部の者が、ゴルフをしたり会食をしたり、知っていようが知っていまいが、同席することだけで服務規程違反になるのですか。

大臣)

 これは公務員倫理として内規があった時代と、国家公務員倫理法ができた以降では、法律的には扱いが違うと思いますが、従来は文部省の内規として倫理規程があったわけですから、そういった意味では、今のご質問の趣旨が法律違反かということであれば、国家公務員倫理法制定後は法律違反になると思います。

記者)

 そうしますと、現職職員の中にこういった違法行為をした者がいる可能性が非常に高いという状況にあると、そういう認識でよろしいのでしょうか。

大臣)

 先程も言いましたように、聞き取りを受けている者も、私は悪意があってとは思っていませんが、記憶が少しはっきりしないという点もあるわけですから、なお慎重に、そのことも含めて、それが何時だったのかがしっかりと確認をした上で、お答えをさせて頂きたいと思っています。

記者)

 それは刑事的な処分だけではなくて、文科省内としての処分も含めて考えるということですか。

大臣)

 それは全体像が、ある程度、最後まではっきりしなければできないものではないと思いますが、少なくとも個人との関係においては、何らかの確証が得られた段階でやらなければいけないと考えているところです。捜査もまだ進行中ですし、そういったものについて我々は何も別に隠そうという意図は全然ありません。事実、そんなことができる時代ではないと私は思っています。ただ、不確定な部分がある中で、今、予見をもって皆さんにお答えすることは、むしろ適当ではないと。そこの部分は、はっきり言える段階できっちりと報告させて頂きたい。先程も言いましたが、我々がやっていることには、私自身も限界はあると思っています。でも、こういうことが起こったわけですから、我が省としての国民に対する説明責任ということで、然るべき時期にしっかりと報告したいと思っています。

担当者)

 先程ご質問がありました受注実績ですが、文部科学省が把握しているもので、まず五洋建設は、過去5年間で延べ8大学、30億9,270万2千円です。それからペンタビルダーズは、過去5年間で延べ3大学1機関、3億6,634万5千円ということです。

記者)

 確認ですが、先程、倉重容疑者を知っていた現職の者がいたという表現だったのですが、複数いたということでよろしいのでしょうか。

大臣)

 はい、複数です。

記者)

 これまでの調査で、ゴルフとか会合をしていたという文教施設企画部の人がいたことについて、大臣の今のご所見を伺えますか。

大臣)

 これは残念の一言だと思います。特に、そういうことが過去において度々指摘をされて、そして国家公務員倫理法という法律までできたわけです。そのことを考えれば、それ以前でも問題がないとは言えないとは思いますが、それ以降においては、たとえゴルフのプレー費を自分で負担しても、そういうことはしないようにということが、はっきりと決められているわけですから、やはりまず公務員というのは、法を執行するわけですから、自分自身も法をしっかり守るというのは基本です。公務員制度改革がこれから議論をされるわけですから、やはりこういうことが具体的に発覚したということについて、非常に残念だと思っています。

記者)

 立命館大学で、助成金がもらえなくなる人数が入ってしまったということで、他学部への転籍を学生に求めていたという話があるのですが、それについて文部科学省の見解をお聞かせ下さい。

大臣)

 実態をしっかりと把握するために、本日、立命館大学が説明に来られるそうです。入学定員の超過率が1.4倍を超えた場合は、当該学部への私学助成金が不交付になるというルールがありまして、余計な話を少しさせて頂くと、我々の頃は、実は平気で2倍3倍取っていて、こういうことはなかったのです。おそらく、こういうことの反省なんだろうと思うのですが、今はそういうルールになっています。昭和48年から、最初は7倍だったそうですが、そこからずっと下げてきて、今年が1.4倍ということです。大学側がどういう意図でやられたかの詳細を含めて、担当課でしっかりと聞くことになっているわけですが、基本的に、入学試験は大学の責任においてやられるわけですから、どういうことでこういうことになったのかは、我々としては聞き質さなければいけない。極端に言いますと、助成金は要らないということであればこういうこともあるのかなと思いますが、やはり学部を転籍するということは、入学試験の際には、学生に対して同じ基準で選ぶわけですから、そういったことで問題がないのかどうかといったことも含めて、転籍したことが教育上の合理的な理由があるのかどうか、しっかりと問い質したいと思います。もしそれがないとしたら、これは不適切になると考えています。

記者)

 その合理的な理由というのは、例えば人数が多すぎて教育施設が使えないというようなことですか。

大臣)

 その辺は、必ずしもそれだけで合理的な理由と言えるのかどうかは、議論のあるところだと思います。試験の制度からすれば、私個人は、それはあまり合理的な理由ではないと思います。ただ、助成金はルールがしっかりしていますから、そのルールに基づいてしっかりと行われることになると思います。

記者)

 そうすると、今把握されている範囲では合理的な理由は分からないという感じでよろしいのでしょうか。

大臣)

 そうですね、その辺はきっちりと聞いてみたいと思います。私が直接聞くのは時間的に無理ですが、やはりそこが一番の問題なのではないでしょうか。

記者)

 年金問題を巡る閣僚懇談会での意見交換ですが、大臣からは何か発言はされたのですか。

大臣)

 私は特に発言はしませんでした。正直申し上げまして、私もまだよく分かっていない部分がありますので、早速にもっと勉強しようと思いながら、閣僚のご指摘を聞いていました。というのは、一部メディアで報道されているような国民の不安を解消するためにどうすればいいかということが中心に、閣僚から発言されていまして、その点について、一部、私もまだ、あまり認識してない部分がありますので、早速、私自身が勉強できる時間を作るように、秘書官に指示をしたところです。

記者)

 それについて総理からは何か発言がありましたか。

大臣)

 総理の発言は、閣僚の皆さんも、よく説明ができるようにというか、説明をよくして頂くようにということで、与党とかを通じて、きっちり説明しなければいけませんねという話だったと思います。特に記憶に残る発言ではなかったと思います。あと、閣僚懇談会の中でいちばん出ていたのが、霞が関が作る資料は国民にすぐ分からないと。もっと分かり易い資料を用意しないといけないと。これは党が作るのか、どこが作るのか別にして、そういうことを気をつけようということでした。選挙区に私は帰れていないのですが、帰った方々からは、これでは選挙は戦えないという、怒りとは言いませんが、そういう発言も出ていまして、本当に、説明をするということをきっちりとやらなければいけないという、そういうことでございました。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)