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平成20年4月8日大臣会見概要

平成20年4月8日(火曜日)
9時52分〜10時8分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 今日の閣議は通常の報告案件がありまして、文部科学省関係では、平成19年度文部科学白書について、私からポイントといいますか、内容は別途会見をしていると思いますので細かくは申し上げませんが、科学技術振興、また教育再生に頑張っていくという報告をしました。続いて閣僚懇談会ですが、経済産業・環境両大臣から「甘利大臣、鴨下大臣と語る希望と安心の国づくり」について、去る5日、北海道洞爺湖町において、地球温暖化をテーマに福田内閣として6回目の国民対話を開催したという報告がありました。続きまして国民生活担当大臣から、今朝4時半だそうですが、茶系飲料への異物混入の事案への対応について、臨時食品危害情報総括官会議を招集したという報告がありました。続きまして私から、4月4日、大島前文部科学省大臣官房文教施設企画部長が収賄容疑で逮捕された件について、この事態を深刻に受け止め、再びこのような事態を生じないよう綱紀の粛正に一層努めるとともに、行政に対する国民の信頼回復に向けて全力で努力するという報告をしました。総理からも、信頼回復に向けてしっかりと対応するようにというお言葉を頂いたところです。

記者)

 その収賄の関連ですが、昨日、事務次官の会見で省内に調査チームを設けるという発表を頂いたのですが、改めまして大臣から、この具体的な調査内容ですとか、ねらいですとか、それから、事務次官は対策の取りまとめの時期はまだ明示できないとおっしゃっていましたが、大臣のお考えは如何でしょうか。

大臣)

 事務次官の会見からまだそれほど時間も経っていませんし、その後何か進展しているということはありません。この調査チームは、もう既に発表されていると思いますが、責任者の務めであろうと思いますから、私の下に、合田総括審議官を直属のリーダーとして立ち上げまして、事実関係の解明、それから再発防止策の検討、綱紀粛正のより一層の徹底を行うと。綱紀粛正という意味では、ラインを通じた事務次官以下の努力ももちろん必要で、昨日の局長等会議でも話をしたと聞いています。今後スケジュールは、もちろんできるだけ早急に進めたいと思っていますが、ご案内のように、捜査資料として様々な書類が今押収されている状況にあるわけですし、本人も今取調中ということですので、警察の捜査の進捗状況を見ながらということになりますが、文教施設企画部関係者へのヒアリングといったところから、状況が整い次第進めていきたい。その中で私としては、実態が明らかになった部分について、原因を解明し、これが組織に起因するものなのか、それから組織と少し似通っていますが、制度によるものなのか、個人の倫理ということもあろうかと思いますが、これは当然のことですから、こういったことが起こる構造全体をしっかりと解明して、再発防止に繋げていきたいと考えていまして、今の段階でいつまでということは、まだ申し上げられないと考えています。

記者)

 今の関連で、原因究明や構造全体を把握する中で、各紙では、これは一時的な問題ではなくて非常に時間を重ねている問題ではないかと指摘されているのですが、既に退職された方たちからヒアリングをするような考えはありますでしょうか。

大臣)

 必要に応じて、必要なことはしっかりやっていきたいと思います。今の段階で誰をどのようにということを、予見を持って申し上げることはまだできませんが、適宜適切にやっていきたいと考えています。

記者)

 同じ関連ですが、構造的な問題なのかどうかを見るときに、今回の調査チームは文部科学省の関係者だけで組織したものですが、外部有識者が必要ではないのですか。

大臣)

 それも必要に応じて考えていきたいと思っています。何分、何かをすると言いましても、先程冒頭に申し上げましたような状況の中ですから、我々として今すぐどなたかにという状況にはないとは思っています。これは私の思いですが、私も長い間、建築の設計という仕事に携わってきましたので、設計から発注に至る段階をどう進めていくかという問題に関しては、多少は知識があるつもりですから、今の段階ですぐ第三者ということよりも、必要があればというふうにお答えさせて頂きたい。これはこの調査チームの構成上の問題だと思いますので、そこは適宜やっていきたいというのが今の考えです。

記者)

 今日、閣議で報告した文部科学白書ですが、今年の特徴として、いわゆる事件系のことについても記載したということで、未履修ですとか、検定の問題、特待生の問題なども言及されていますが、こういうことを白書に入れたお考えを少しお伺いできますか。

大臣)

 教育を取り巻く状況ということで事実を記載したと、私は理解しています。やはり、教育についての現状や色々な問題というものを、ある意味、データとして示すというのが白書の性格であろうと思っていますから、そのことをもって、それをどうするという意図が特にあったとは、私は理解していません。

記者)

 沖縄戦の検定に関しては、様々な意見が寄せられましたという表現となっていまして、それより随分色々なことがあったような気もするのですが、その点については如何でしょうか。

大臣)

 これも、昨年の12月26日だったと思いますが、私が会見をした段階、それから、教科用図書検定調査審議会の報告書がかなりオープンに出ていますので、白書では、全般的、総括的な事実を記載したと理解しています。白書の量はできるだけ減らせという、これは党だったと思いますが、我が省だけではなくて、そういった意見も結構強く出されているところでもあるわけですから、そういうふうにご理解を頂ければ良いのではないかと思います。
 もうひとつ、これは聞かれてもいないことをお話ししますが、文部科学白書と科学技術白書の関係というものを、これは私がこの職にある以前から、常にどういうふうに考えなければいけないのかという問題があると思います。両省庁が一緒になった当初は、科学技術の記述は非常に少なかったのです。これは科学技術白書があるからということだったのですが、当時の我々の意見としては、文部科学省になったにも拘らず科学技術が少ないと、文部科学省では科学技術が重要ではないと見られるのではないかということで、むしろ、政治の側からの意見で増やしたという経緯がありました。ただ、やはり両方出すとかえって中途半端になるということで、今年は少し量を減らしています。科学技術白書は、科学技術基本法に基づいて国会に報告するという義務がありますから、これも含めて、この二つの扱いをどうしていくのかは、今後の検討課題であるという認識を私は持っています。

記者)

 収賄の件について、総理からも信頼回復しっかりとという話があったと。このやりとりは閣議ですか。

大臣)

 閣僚懇談会です。

記者)

 千葉の方で放射性同位元素が盗まれたという事案がありましたが、これに対して文部科学省としては報告を求める以外に、何らか対応をなさる予定というのはありますでしょうか。

大臣)

 文部科学省としては、今ホームページで注意喚起をしています。大変良いご質問を頂いたわけでして、昨日来、特にメディアの皆さんにお礼を言いたいと思いますが、報道して頂いて、この危険性が国民の皆さんにも伝えることができたのではないかと思っています。これは本当に感謝をしたいと思います。今回の事件に関しては、今警察にお願いもしているわけですし、特殊なものですから、一日も早い発見をして頂きたいと思います。3月17日に、放射性同位元素の保管管理を徹底するということで、保管管理者といいますか、扱っている事業者に通達を出したところですが、再度、こういった事故が起こらないように、よりしっかりと管理して欲しいと申し上げたいと思います。繰り返して、私がテレビを見ていまして感じたのは、これで国民の皆さんにも分かってもらえる、また、発見ということに関して力になって頂けるという言い方は悪いかもしれませんが、感謝を申し上げなければいけない、そんな思いを持ったものですから、率直に、そういうふうに申し上げたいと思います。

(了)

  • 本概要は、発言内容を変更しない範囲で読み易く修正しています。

(大臣官房総務課広報室)