平成19年12月18日大臣会見概要

平成19年12月18日
10時7分〜10時18分
文部科学省 記者会見室

大臣)

 本日の閣議は、通常案件以外に、環境大臣からバリ島で行われた気候変動枠組み条約第13回締約国会議及び京都議定書第3回締約国会合の結果報告等、各閣僚から色々な近況の報告がありました。閣議後の閣僚懇談会において、総理から社会保障の在り方を検討する国民会議の設置につきまして発言がありました。全ての人が安心して暮らし、本当の意味での豊かさを実感できる社会をつくっていくために取り組んでいくということで、今後、国民の方々が具体的に思い描くことができるような議論を行いたいということでした。これに関連して、厚生労働大臣、少子化対策担当大臣からも発言がありました。

記者)

 大学入試センターが、センター試験の問題の差し替えに関して発表を行いました。受験生の信頼を揺るがす管理体制等の問題点もあると思いますが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。

大臣)

 今のご質問の趣旨通りだと思います。これは大変遺憾なことであろうと思います。管理体制をしっかりとしてもらわなければ、本当に困ると感じております。過日、理事長が来られた時にも、そのことを厳重に注意したところです。ただ、今回の件については全て問題の差し替えがなされており、またスケジュールにも影響を与えることなく対応できるという報告も受けておりますので、受験生の皆さんは、少しびっくりされたでしょうが、心配しないで、当初の予定通り自分の力を発揮して試験に臨んで頂きたいということを、私からもお願いをしたいと思います。

記者)

 教員定数について、約1,200人増員という報道が出ているのですが、事実関係を教えて下さい。

大臣)

 まだ決定はしていません。今、最後の最後まで努力しているところです。まだ今日の折衝も残っておりますし、また、単に定数のことだけではなくて、給与の問題等色々ありますので、もう暫く推移を見守って頂きたいと思います。

記者)

 京都大学のiPS細胞の研究について、大臣は色々な支援をしたいというお話をされていましたが、支援の方向性とか、支援の構想は、今どのようになっていますでしょうか。

大臣)

 基本的には、山中先生が中心になるわけですから、先生の意見もお聞きしますが、先生お一人でできるわけではありません。特に臨床をこれからと考えますと、現在日本において、色々なところが色々な研究をされておりますから、そういったところがどういうふうに、コンソーシアムといいますか、ネットワークをきっちり組めるのが良いのかということを考えております。これを20日に開催される科学技術・学術審議会ライフサイエンス委員会において議論して頂き、また内閣府の総合科学技術会議もありますから、色々と意見を聞いてまとめあげたいと思っております。大体のイメージというのは、センターがあって、そのセンターからiPS細胞が滞りなく各研究者に提供されて、そしてその研究者が自分の得意分野、これはもちろん医療の分野ですから、何に使っていくのかということもありますが、私は以前から言っていますように、あまりこの分野について強いわけではありませんが、例えば遺伝子を運ぶ「ベクター」といった分野が得意な方とか、また遺伝子が得意な方とか、それからiPS細胞そのものを作るという作業もあるわけですから、融合的に絡み合う、しかも全部を中で実施できるなら良いですが、そういうわけにもいかない部分もあり、また、外へ出すときには知的財産権の問題もあるわけです。そういった色々な課題をできるだけ解決して、スピーディーにこの研究が進む、そういう体制を作り上げたいと思っております。

記者)

 今お話しされたセンターというものは、山中先生の研究室がその機能を担うという意味でしょうか。

大臣)

 研究室そのものというよりも、何か新しく建てるとかということではなくて、京都大学を中心としたセンター的機能といものになろうかと思います。どういう器でどういうふうにしてやったらいいかというところは、まだこれからの詰めが必要だと考えております。

記者)

 今の話に関連して、20日のライフサイエンス委員会では、今やっている平成20年度の予算作業にはほとんど間に合わないので、そこで話し合われるのは再来年度以降の対策という部分が多いのでしょうか。それとも、まずすぐにできるものは、かなり具体的に決まるのでしょうか。

大臣)

 今イメージできるのは、具体的なプロジェクトの名前は分かりませんが、競争的資金というのは色々な資金があり、また、自由に配分できる資金もあるわけですから、そういったあらゆる様々な形の支援というのは考えられると思います。ただ、文部科学省として従来から実施している事業もまだ最終的に予算が決まっているわけではありませんから、その部分も含めて、少しでも増やしていくということを考えたいと思います。JST(科学技術振興機構)が配分しているCREST(戦略的創造研究推進事業)というのは、ある種の枠を設定するだけですから、その中で例えば再生医療の分野をどういうふうに設定するかとか、残っていた枠の中で重点的に持っていくということは可能だと思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)