平成19年10月2日大臣会見概要

平成19年10月2日
11時6分〜11時32分
文部科学省記者会見室

大臣)

 今日の閣議は、一般案件として、経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定の効力発生のための外交上の公文の交換等、数件が報告されました。また、国会提出案件として、主に質問主意書が報告をされました。あと、条約の公布、特命全権大使の人事、叙勲についての報告等がございました。また国土交通大臣の中国出張の報告と、外務大臣から、エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合及び第62回国連総会の出席等についての報告がございました。閣議に引き続きまして、地球温暖化対策推進本部が開会されました。京都議定書目標達成の見直しに向けた基本方針について、報告を再度了承されたところでございます。なお、各省においても連携を図りながら、この目標の達成に努力するようにという指示を頂きました。
 それから、私の方から報告がございます。過日、私の2003年、2005年の政治資金につきまして、記者会見でも発表をさせて頂いたとおりでございますが、なお念のため、更なる点検、そして2000年の選挙時についても事務所費の調査を指示いたしました。2000年は保存義務の外にありまして、時間がかかって恐縮でございましたが、その結果、ご指摘があったのと同様の寄付がございました。当該企業から毎年一般の政治活動資金を頂いているところでもありまして、本件も2003年、2005年の件と同じでございますが、政党の政策や普及活動、党政の拡大にご支援を頂いたものと理解をいたしております。しかしながら、前回あのような疑義が生じたということを考えますと、誠に不本意でございますので、この件につきましても返金をすることで対応をしたいと考えております。

記者)

 昨日の会見において、教科書検定問題で沖縄県民の気持ちを考え、色々な選択肢を考えていくとおっしゃられましたが、担当局に対して具体的な指示などはなさったのでしょうか。

大臣)

 色々と考えられる可能性につきまして、解決を見出したいということで、具体的な指示と言いますと、考えうる選択肢について、法制上の問題なり、検定という制度について政治が介入をしない、時の政府の権力によって教科書が歪められることがあってはならないということでありますから、そうならないで何ができるか、何をすべきかということについて、いくつかのオプションについて、より詳しい検討をするということを指示しております。

記者)

 昨日もご発言がありましたが、今、教科書会社のほうで、訂正を申請する動きが出ているのですが、訂正申請が出された場合には、どのように対応するのか、改めてお願いいたします。

大臣)

 昨日も申し上げたと思いますが、申請が出された場合には、もちろん中身を見なければいけませんが、丁重に、真摯に対応したいと考えております。

記者)

 基本的には文部科学大臣の承認を受け、訂正を行うことになるのですが、その承認は基本的にはされるということですか。

大臣)

 もちろんこれは中身次第です。現時点では、何でも承認をすると申し上げるわけにはいきませんが、こういう状況の中で申請をしたいということで来られるわけですから、その中身について、精査をするというより、きっちりと把握をさせて頂いて、真摯に対応をしたいと。中身がまだ分かりませんから、今の段階で承認するとか、しないとかということは、コメントは控えたいと思っておりますが、きっちりと対応させて頂きたいと思っております。

記者)

 しっかりした内容であれば、基本的には受け入れたいという思いということで宜しいのですか。

大臣)

 場合によっては、再度、教科用図書検定調査審議会(以下「検定審議会」)の意見を、要するに私が判断するよりも、やはり中立、公平、公正で判断をして頂くという手続きが必要になる場合もあると思います。例えば、市町村合併をしました、地図によると本来は一つなのに二つになっているという件は、これは意見を挟まない、政治的な意見の介入には全くならないと判断できますから、そういうことはできますが、今回の場合は、私の判断だけでというのは、政治的介入にならないかということも慎重に考えながら対応したいと思っております。ただ、沖縄県民の思いというのは、常に重く受け止めていかなければいけない。これは官房長官がおっしゃったわけでありますが、基本であろうと思います。

記者)

 かつてのチッソの表記をめぐる検定に対して、訂正申請の勧告ではないのですが、教科書会社に情報提供という形で知らせた例があるようなのですが、今回の件に関して、訂正の勧告というか、教科書会社に対して沖縄県民大会が実際に開かれたことですとか、政府の答弁書が出ているということについて、情報提供されるお考えはあるのでしょうか。

大臣)

 教科書会社に対して提供はしておりません。政治的介入になるかどうかもありますが、これだけ報道されているわけですから、ある程度、教科書会社もつかんでおられるのではないでしょうか。具体的な問い合わせも別にありませんし、私も実は色々なことを新聞やテレビで知ったということもありますから、今回の場合はマスメディアを通じて、情報は十分提供されていると思います。

記者)

 県民大会は、検定意見の撤回を求める決議というものが出されました。で、大臣や官房長官は、県民の思いを受け止めて、こういう対応をするという言い方をしているのですが、検定意見そのものの妥当性についてはどうお考えでしょうか。

大臣)

 検定審議会のしくみは、報道各社もよくご存知だと思いますが、その手続きに基づいて、中立、公正、専門的に審議が行われたと報告を受けておりますし、私もそういうことだと理解をしております。

記者)

 昨日、財団法人日本相撲協会(以下「相撲協会」)で北の湖理事長が会見をし、時津風親方への聴取を終えて、厳重に処分をしたいとおっしゃっていましたが、大臣の方に相撲協会から今日までに何らかのご連絡はありましたか。

大臣)

 北の湖理事長、伊勢ノ海理事、武蔵川理事が今回の件について時津風親方から事情を聴取したことについて、事務的に電話で報告を頂いております。協会としては時津風親方の説明をそのまま事実として受け止めるものではなく、報道と異なる部分を中心に、内容の真偽については、時津風部屋の他のお弟子さんに聴取するなど、引き続き調査していくというような報告を頂いております。

記者)

 今後の方針として、文部科学省としてはどのような対応を考えていらっしゃいますか。

大臣)

 文部科学省としては、真相究明や再発防止策の構築などを適切に行って頂けるようお願いをしつつ、相撲協会が、今やっておられることの報告も受けながら、当面は見守っていくということが、今の立場だと思います。

記者)

 教科書検定の話ですが、大臣が教科書会社の訂正申請について真摯に対応するといったのは中身次第というふうにおっしゃっていましたが、沖縄県側は記述の復活を求めていまして、検定前の記述で申請されてきた場合にはどういう対応をされますか。

大臣)

 県民の皆さんはこれをおかしいとおっしゃっているわけですから、その意見をおかしいと言っているつもりはありませんし、そのような場合には私が判断ができると思いますが、今回は、この検定の結果に対して異論が唱えられている、色々な意見があるわけでございますから、その中身をもう一度検定審議会でもご検討頂かなければいけないのではないかと思っております。故に、今のような想定に対して私がお答えすることも、現時点ではなかなか難しいのではないかというふうに思います。

記者)

 そうしますと、もし検定審議会へ出して、記述の内容が変わるとすれば、中立、公正に審議してきたという前提そのものが覆ることになると思うのですが。

大臣)

 おっしゃっている意味は分かるつもりでございますが、その後の色々な事態というのがあります。今回このようなことが起こったことで、新たな事実なり、新たな証言なりが出てきているということもありますから。検定審議会自身があの時点でその判断をしたということについて、今私は、中立でなかったか、中立であったかを言うこと自体も、実はある意味、検定審議会という制度そのものに介入するということになると思います。ただ現実に、これだけのことが起こり、なおかつ新しい事実が少し増えてきているという状況のもとで、この問題をどのように考えていくかということではないのかと思います。

記者)

 政治資金の関係ですが、2000年の何月何日でしょうか。また、前回(2003年、2005年)と同じ会社なのでしょうか。

大臣)

 3社ありまして、仮にA社、B社、C社としますと、A社が5月18日で金額が300万円です。これは選挙にまだ入っておりませんが、色々と精査をいたしますと、この日に政府与党首脳会議で解散が決まったという事でしたので、含めました。そしてB社が以前から献金を頂いている分を含めて、136万円です。それからC社が42万円です。

記者)

 B社の136万円は、選挙の期日にかかっているときの金額というのは別ではありませんか。

大臣)

 B社の136万円中、12万円が5月26日ですから、先程のA社の5月18日と同様に含めております。それから、6月15日の100万円がかかっているということになろうかと思います。それからC社が、6月28日に30万というのがございます。C社は投票日よりは後でありますが、投票日が6月25日ですので、そういう意味からしますと、前回の場合と同じ考え方をすれば、これも申し上げたほうがいいだろうという判断で申し上げました。

記者)

 A社、B社、C社のうち、前回問題となった会社と同一の会社というのはありますか。

大臣)

 ありません。

記者)

 いずれも自民党選挙区支部に対する献金ということで宜しいですか。

大臣)

 もちろんそうです。

記者)

 いずれもその支部内に本社がある会社ですか。

大臣)

 1社は昔の中選挙区時代の会社だと思います。

記者)

 いずれも兵庫県内の会社ですか。

大臣)

 兵庫県内です。

記者)

 それで、いずれも国の公共事業を受注していたと。

大臣)

 その時期ですね、はい。

記者)

 A社、B社、C社とも建設関係の会社ですか。

大臣)

 A社、B社、C社とも建設会社です。

記者)

 全額返還はしたのですか、これからですか。

大臣)

 まだしてません。この前もお返ししましたし、そうは言いながら用意しなければいけませんから、できるだけ早く対応したいとは正直思っております。事実が分かりましたので、早急に説明をしたほうが良いだろうということで、今日発表させて頂いたということです。

記者)

 返金される額というのは、この300万、136万、42万を合計した額ですか。

大臣)

 はい、総額で478万円になります。いつがどうと言い出すと、非常に分かりにくいので、もうこの年の、この会社の献金は、全て、この前と同じようにしたいと思います。

記者)

 当該年度の合計ということですか。

大臣)

 この3社のですね。

記者)

 前年度の政治資金、いわゆる寄付なのですか。

大臣)

 これは間違えないで下さい、私にも名誉がありますから。先日、2003年と2005年についてご指摘を頂きました。それと同じものが2000年にもありました。先週木曜日の会見で精査をしますということをお約束しましたから、遡って、ここまでだったらぎりぎり分かるだろうということで。始めは、実は保存義務が3年ですから、書類がどこにあるのか、あまり分からなかったのですが、相手方に色々聞いたりして、事務所が調べたという報告を受けております。

記者)

 A社、B社、C社については、2003年と2005年はないのですか。

大臣)

 ありません。

記者)

 同じような選挙期間にかかっているものが、A社、B社、C社ということですか。

大臣)

 疑義があるという報道をいただきましたので、そうではありませんが、不本意ですから、返させて頂いたというのが、前回のご報告でございました。

記者)

 2003年、2005年は同じ2社でしたか。

大臣)

 1社です。1社が同じようになっていたと。

記者)

 その他の社についてはないということですか。

大臣)

 それは、ありませんかと聞かれましたから、まず2003年と2005年と精査をさせて頂いて、もっと前も大丈夫ですか、ということで調べました。2003年、2005年について大丈夫だというのは、もっと早い段階、この間ご質問頂いた先週木曜日の段階でも分かっていたのですが、もう少し前まで、とりあえず調べるということで、今分かった範囲でお話をさせて頂いております。

記者)

 2003年、2005年と、重なる1社が、今回のA社、B社、C社の中ではないのですか。

大臣)

 先程申し上げましたようにありません。2003年と2005年はD社だと思って頂いて結構でございます。

記者)

 確認ですが、2000年は自民党に復党をされて最初の選挙でしたか。

大臣)

 これは落選中に復帰をする選挙でございました。その状況を含めて、少し金額が多いのですが、そういう党方針を頂いたと。これはもう全然選挙期間ではないのですが、というふうに理解しております。

記者)

 教科書の問題について、教科用図書検定規則第13条4項という形で、大臣のその勧告という形ではなくて、申請があった場合には、検定審議会を開いて皆さんの話を聞きたいという気持ちで宜しいですか。

大臣)

 今回の訂正について私が判断をすると、ある意味の政治的介入になるのではないかと。予測です、あくまでも。ですから、検定審議会を開くかどうかは別にして、少なくとも検定審議会の委員の方々の意見は聞くということになろうかと思います。これは予測といいますか、推測でしかありません。断定はまだできませんから。

(了)

(大臣官房総務課広報室)