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平成19年7月31日大臣会見概要

平成19年7月31日
11時2分〜11時18分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議は、普通交付税が本日、各地方公共団体に交付される予定ということです。それから、労働力調査の結果について発表がありまして、6月の完全失業率は3.7パーセント、前月比0.1ポイントの低下、就業者数は前年同月比53万人増加の6,491万人、完全失業者数は前年同月比37万人減の241万人。それから、有効求人倍率は1.07で、前月比0.01ポイントの上昇、改善は着実に進んでいるということですね。あとは特段のことはありません。閣議のあと、総合海洋政策本部というのが発足をし、事務局は内閣官房に置かれます。文部科学省関係では、幹事会に文部科学省研究開発局長が指名されたということです。

記者)
 今回の参議院選挙、与党にとって非常に厳しい結果となりましたが、大臣の今回の選挙に対する率直なご感想をお聞かせください。

大臣)
 本当にきつかったですね、疲れました。結果が出てこないから、非常に疲れたのだと思います。政策の打ち出し方についても、小泉前総理のときの市場原理重視型というのは、当時のバブル後の不況を乗り切るためには、止むを得ざることであったと思いますが、その後遺症が、地方には結構大きかったということでしょう。そして、それに対して適当な処方箋が浸透するまでの時間が得られなかった中で、政策的にはそこが一番きつかったのではないでしょうか。ただ、いつもお話ししていますように、政策を論じないと政治はやっている値打ちがないのですが、政策を論じているだけで政治はできないということを、しっかりと受け止めておかなければいけないというのは、今回の一番大きな教訓でしょうね。事務所費の問題等も、記者会見等をやって、自分の思うところを進んで話せば分かることですよね。失言の問題も、率直に言うと、報じられている通りの意図をもって発言されたのかなと思うようなものもありますね。ですから、国民心理的に言いますと、説明責任が全体的に非常に不十分だったということではないかと思います。それから、制度的には、参議院選挙というのは、大体いつも、大きく揺れますね。衆議院もいずれ、こういう状況が来るだろうと私は思います。まだ、当選5回以上という中選挙区時代の残滓があるわけですから、後援会のせめぎ合いというのか、党が助けてくれない中選挙区のもとで、後援会によって、自立自存の選挙をやっていくという中で生まれてきた活力が自民党にあったときは、お互いにせめぎあっている人達が、ひとつしかない参議院のポストを巡って協力をするというところから、自民党の強さがあったわけですが、小選挙区制になってから、お互いに自助努力になり、競争による成長というのが非常に薄くなってきていますね。また、参議院選挙も、実質的には東京都や千葉県のような例外を除きますと、皆、小選挙区制なのですよ。自民党は1人しか立候補させていないのですから。で、もちろん一人区は当然のことですが、二人区も1人でしょ。非常に広い範囲ですから、自分で後援会を作って、大きな波が押し寄せてきても、かろうじてその岩が波の上に出てると。そして大きな波が引いたあとは、岩が隆々と現れると。そういう選挙が非常にやりにくいのですね。ですから、どうしてもそのときの雰囲気、風、その他に左右されるということではないでしょうか。今回、自民党のご指示通り各地に行きましたが、非常に厳しいと思いましたね。全体的に見ますと、公明党の選挙区の方々の成績も、そう良くはなかったのですが、結果を見ますと、従来よりたくさん票を取っておられるのですね。結局、自民党が自分の票を押さえ切れなかったものが民主党に流れてしまったので、相対的に公明党の方が苦戦されたと。これも自民党が、ある程度友党に対して、申し訳なかったという気持ちを持つ必要があると思いますね。

記者)
 参議院選挙関係ですが、安倍総理は参議院選挙でも、教育基本法ですとか、教育三法ですとか、教育に関する成果を強調されてきたのですが、大臣ご自身は参議院選挙を通じまして、そういう教育政策への評価ですとか、そういうのをお感じになっていられましたでしょうか。

大臣)
 文部科学大臣ですから、各地に行って、教育のことを全く話さないという訳にはいかないので、「安倍総理は、資源のない日本で良い人間を作らなければ将来は無いという気持ちでやってきている。しかし、教育再生というのは、難しいことをやっているわけではなくて、今日ここへ来て頂いている、かわいいお子さんお孫さんを、おじいちゃんやおばあちゃんや、お父さんお母さんが喜んで預けられる学校を作る、そして、お子さんやお孫さんも楽しく行ける学校を作る。そして、人間として進んでやらねばならないことと、やってはならないことが分かる子どもに育てる。それ以上のことは何もありません」という程度のお話しか出来ませんでした。あとは、年金のこと等ですが、マニフェスト選挙というのか、公約の選挙というのは、率直に言うと、非常に難しい制度ですよね。特に参議院選挙においては、総理大臣の指名権は憲法によって衆議院にあるわけですから、参議院の成果によって内閣がすぐに変わることはないのですね。総理大臣が誰であるかは別として。そうしますと、民主党の出しておられる公約というのは、資金繰りとして、一種の手形を切れるわけです。ところが、政権を預かっている方は現金で決済しないといけませんから、出来ないこととか、財源の裏づけがないことを言うと、一発でそれが明るみに出るというか、それを検証する機会があるのですが、執行部を預かる立場にないほうの検証というのが、出来にくい制度です。そういう話をしていたということです。

記者)
 与党内から、今回の選挙の結果を受けて、総理の責任云々というお話が出ていますが、大臣としては総理の責任はあったとお考えでしょうか。

大臣)
 それは総理にも責任があるでしょうし、内閣というのは、国務大臣が共同して全ての責任を負うわけですから、我々一人一人にも責任があります。これは候補者にも、全ての組織にも、皆の色々な少しずつの失敗で、こういう結果になったということは、謙虚に考えなければいけないでしょう。総理も、そういう趣旨のことは会見でおっしゃっているわけです。ただ、その責任の取り方は、人それぞれの考え方ですから。

記者)
 教育再生に非常に熱心な安倍総理の求心力が弱まってくると、教育再生の動きにも何か影響を与えることはないでしょうか。

大臣)
 それは、そういうことでもないのではないですか。昨日の会見を見ていましても、安倍総理は引き続いて使命感をもって是非やりたいということの第一番目に教育再生のことを言っていましたね。ですから、安倍総理の国づくりのために置いていたプライオリティというのか、重点というのは揺るぎはないと思います。それから、悪乗りをしないように私たちも注意をしておかなければいけないのは、民主党の力が相対的に強くなりますから、予算希望を、民主党のマニフェスト通りのことをかなり受け入れますと、予算規模は非常に大きくなりますね。教育についても、予算を著増させるような提案になっていますね。財源的にどこまでできるのかという議論を、これから詰めていかなければなりませんが、無駄なものをどこまで抑えて、そして必要なことを付け加えていって、結果として教育関係予算が増えるという形にもっていかなければならないと私は思っているのですが、無駄なことに対して、目配りをせずに予算を増やせば良いだけというのは、少し注意しながらやっていかなければいけないでしょうね。

記者)
 山形大学の学長選考会議が先週、結城前次官を次の学長候補者として選びました。で、公務員制度改革が論じられていた影響もあってか、学内にはこれは天下りじゃないかという批判もあるようですけれども、人事の発令者となる大臣としては、もし結城さんが学長になる場合は、これは天下りだと思いますか。

大臣)
 結城さんであろうと、誰であろうと、国立大学法人の人事に文部科学大臣が発言したら、滝川事件になるのではないですか。ですから、学内で手続きを踏んで選ばれたものについて、文部科学大臣が介入するということは、私はやってはいけないことだと思いますね。で、学長が結城さんであろうと誰であろうと、文部科学省の大学行政、予算の配分については公平でなければならない。当たり前のことですよ。結城さんを学長にしてほしいなんてことは、私は大臣として頼んだことは一度もありません。文部科学省にも、そういうことを頼んだ人間がいたら、それは免職しなければなりませんね。例えば、私が朝日新聞に頼まれて論説委員になったら天下りになるのですかね。ヘッドハンティングをされるということは、あるわけですよね。天下りとは、権力とか地位を利用して押し付けるということをいうのではないのですか。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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