ここからサイトの主なメニューです

平成19年6月22日大臣会見概要

平成19年6月22日
10時15分〜10時31分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議は特段のことはありません。規制改革推進のための三か年計画、男女共同参画週間の実施、むつ小川原開発について、各大臣からご発言がありました。それから、教育関連三法の公布の署名がございました。
 会期延長というのは内閣は関係ないのですね。何か請議をするのかなと思っていましたが、私の誤解で、立法府の中で処理するのですね。ですから、そのことは特段の話はありませんでした。

記者)
 今お話がありました教育関連三法の関係ですが、教育予算の拡充という声が国会審議や外からも色々広がっていますが、三法成立して、これからの予算編成に向かって大臣のお考えを。

大臣)
 まず一番最大の問題は、参議院選挙がどうなるかですよね。昨日も省内の教育法制度整備推進本部で申し上げたように、日本は法治国家ですから、法律を改正しませんと色々な制度は動かせません。法律を改正することは大切な条件ですが、法律を改正したからといって、それで全てが解決するわけではありません。一番大切なことは、その法律のもとで制度を動かす人を得ないといけません。また、人が動いていくためには、当然、予算が必要なわけです。ただ、教育再生をやるから予算を増やせというのは、ちょっとどうかなと私は思いますね。例えば新しい職ができたから、その職だけは従来の行政改革推進法の枠の外として定数を確保する。そうすると、その人件費相当額の3分の1が国の予算として計上されなければなりませんし、地方の財政計画の中で3分の2を交付税の算定基準として入れていくとかということを積み上げてみて、結果的に制度が変わっていくのですから、当然増えるわけです。また教育再生会議でも、教師として生徒と向き合える時間が少ないということは言っています。国民の税金を預かるものとしては、そういうことを計数的にプラスマイナスを積み上げてみて、結果的に増えるからどうしようという議論をするわけです。初めから中身もないけど予算を増やしたら教育重視だというのは、論調としてもおかしい。積み上げていけば、たぶん予算は増えるでしょうから、今までの教育予算の中で必要の優先順位が相対的に低いものは何かの検証をこれからして、どういう要求の仕方にするかは、参議院選挙後に決めるであろう概算要求基準に従って積み上げをして、そして年末の予算編成に入っていくと。担当大臣としては、必要なものをきちんと要求をしていきたいし、法律の縛りその他があれば、法改正をしなければいけないわけです。従来、骨太の方針2006を閣議決定をした中で、閣議決定をするということは、当然内閣を構成している各閣僚は、その決定に縛られるわけですから、骨太の方針2007は今言ったような作業をする際に、文部科学大臣が縛られないように最大限の努力をして閣議決定をしたということです。報道各社も専門家ですから、2007と2006とを比べてよく読んでもらって、行間と紙背に眼光を鋭く光らせて、1、2週間読んでから、またこの問答はいたしましょう。

記者)
 沖縄県議会で、先ほど、教科書検定で集団自決をめぐる記述について、検定意見を撤回するよう求める意見書が全会一致で可決されたのですが、それについて決定権者である大臣としてお考えをお聞かせください。

大臣)
 何度も言っていますように、日本においては、法律上、法務大臣は検事総長に対して指揮権があります。しかし現実には、議院内閣制のもとで指揮権を発動しますと、それは政権をとっている政党の利益でもって検察当局が動くことになります。検察は行政の一部ですから、動くことに対する配慮がありますから、指揮権は発動しないということで来ているのと同じように、私が教科用図書検定調査審議会がおっしゃったことを変えるとかということは、私はいたしませんし、また、それができるような国であったら、日本の教科書は大変怖いものになるということです。

記者)
 その検定結果をめぐって、沖縄県でここまで大きな問題になっていることについては、どのようにお考えですか。

大臣)
 検定の結果については、一私人として見れば、沖縄の皆さんのお気持ちに沿わないようなことがあるんだろうと私は思いますよ。昨日NHKでの番組を見ましたが、結局、その番組を見ると、命令があったというわけではないのです。キャスターも発言にかなり注意して発言しておられました。また証言者の多くは、軍が常に雰囲気を作り宣伝をした結果、自殺をせざるを得ないような心理状況に追い込まれていたということを言っておられますよね。今回の検定結果は、全ての集団自決について軍の命令があったということではないよということではないですか。沖縄の方のお気持ちは、私はよく分かりますよ。私も小学校入ったときでしたが、米軍が来たら、女性は皆連れていかれて、男は手のひらに穴をあけて鉄の輪でくくられて、というようなことを教えられて、本当にそうだと思っていました。まだ子どもでしたから、戦争に負けたとかということは実感はありませんでしたが、これで家族がばらばらになるのかなとか、お父さんやお母さんはどこかへ連れていかれちゃうのかなと思ったから、玉音放送があったときに、ざわざわ言ってよく聞こえませんでしたが、何か分からないけれども泣いたよね。だからそういうお気持ちは、私はよく分かります。全ての集団自決について軍の命令があったということはないということを、委員の先生方はおっしゃっていると、私は思いますよ。沖縄の方のお気持ちは、私はもうそれはよく分かる。何度もここで言っているように、単にこれは第二次世界大戦のことだけではなくて、それまでの、軍が基地を強制収用して、その後米軍が入ってきて、その基地を引き続き継続使用してきているからね。ですから、沖縄の人の気持ちとしては、私は一番辛い大変なことだと。私がこのことについて色々強く発言することは、先ほどの検事総長と法務大臣の関係で言えば、一種の指揮権発動のようなことになるということは、極めて慎重にやらなければならないので、文部科学大臣が検定に介入できるという道を、私の代で開くということは、私はしたくありません。

記者)
 関連ですが、今日一部報道で、企画官を更迭するという報道がされていますが、この点に関して事実関係をお願いします。

大臣)
 私は知りません。課長の人事までは、定期異動の相談はまだ何もしていませんが、人事の相談をした案件が漏れたら全てその通りにしない、ということしか言ってありませんから、まだ何もしてないと思います。課長以下の人事は、基本的には、大臣まであげて大臣が色々口を出すことは、あまり適当なことではありませんから。一部報道については、今日車の中で見て、どういうことなんだということは聞きました。新聞の報道があるまで知りませんでしたから、事実関係はよく分かりませんが、少なくとも更迭をするとか、外部から何か言われたから替えるなどということは、私が人事権者である限りはいたしません。それが定期の異動であれば、やったらいいです。だいたい一般論として言えば、国会が延長になって、もめ始めたとか、やれ野党がどう言っているというときに、慌てて反応すればするほど事を大きくするから、私が人事課長か官房長でしたら、定期異動であっても、そのときは発令はしませんね。ただ、課長補佐とか企画官の人事に大臣が介入しているような役所は、どこもありません。

記者)
 国会の会期延長について今日の衆議院本会議で決まりますが、その会期延長についての受け止めと、参議院選挙への影響についてはどのように考えてらっしゃいますか。

大臣)
 それは分かりませんね。参議院選挙の影響について分かれば、それは延長するかしないか、もっとスカッと決まるのでしょうね。安倍総理は国民から付託されたことを粛々とやっていくことが政治の責任であると思っておられるわけでね。議院内閣制ですから、そういう思いの総理大臣が党総裁として決断をしたと。会期のことは内閣は直接関与はできませんから、党サイドで、立法府の中で判断をされたということです。我々は積み上げてきた仕事を着実にやっていくことによって、国民の評価を得て、判断を受けると。本当はそれが筋ですが、色々なメディアとか、同じ話題の持っていきかたとかというので、大衆というのは、大衆論という学問があり、それは非常に動くからね。先程の人事の更迭の話もね、本来そういうことが分かっている人であれば、定期異動であっても一呼吸おくというのは、玄人の常識ですよ。いや、その通りやろうとしてたのかどうかも、私は知らなかったのですけどね。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ