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平成19年3月30日大臣会見概要

平成19年3月30日
9時57分〜10時54分
文部科学省記者会見室

大臣)
 本日の閣議は年度末なので色々と人事案件がありました。また、厚生労働大臣から、労働力調査、有効求人倍率等について、2月の完全失業率は4ヶ月連続4.0パーセント、1年前に比べると30万人就業者が増加し約6300万人、失業者は7万人減少して270万人、有効求人倍率は1.05倍になっているとのご発言でした。総じて言うと、労働市場はかなり改善の方向に向かっているということだと思います。消費者物価は1年前に比べて0.2パーセントの下落というから、デフレ基調からはなかなか脱却しにくいということでしょうか。あとはイラク特別措置法の2年間延長について、関係各大臣の話がありました。そのほか、独立行政法人等の人事について各大臣より了解を求める発言がありました。私から、大学入試センター、国立文化財機構、国立大学財務・経営センターの各理事長の任命について閣議のご承認をお願いしました。
 それから、ご承知のように学校教育法および地方教育行政法の2法案が閣議の了承を得ましたので、火曜日の閣議で決定した教員免許法案と合わせて、本日立法府へ提出させていただくことになりました。一括提出ですから、審議の方法は立法府でご相談いただくと思いますが、提出の順序は、塩崎官房長官から伺ったところでは、学校教育法、地方教育行政法、教員免許法という番号付けになるようです。

記者)
 今日2法案が閣議で了承されて、月内に3法案まとめて国会提出という目標が一応達成できますが、大臣のご所感をいただけますか。

大臣)
 安倍内閣の最優先の課題だということもあり、安倍総理自身の強い思いもあり、中央教育審議会には大変なご迷惑をおかけしましたし、関係省庁等との調整も非常に厳しいというのか、総務省との間の調整も厳しく、関係団体も、自分たちの利害、つまり、義務の部分について反省はないが権利については大変強く主張されるということもあり、大変だったと思います。その間、法案作成を担当していた初等中等教育局を中心に、局長から係員まで大変よく頑張ってくれたと思いますし、内閣法制局にも随分とご迷惑をかけました。しかしやっと、関所の入り口に辿り着いたということで、国会を通らないと関所の向こうへはいけませんので、教育再生のために国会終了まで全力を尽くすということだと思います。

記者)
 安倍総理から、今国会での法案成立に向けたご発言はあったのでしょうか。

大臣)
 その事については誰からも何のご発言もありません。しかし、かねてから、学校現場をできるだけスピーディーに安心して子供を預けられる場所にしたいということは、総理も言っておられます。学校現場だけではなく、もちろん地域社会と家庭そのものも変えていかなければいけませんが、効果が出るには50年くらいかかると思います。しかし、学校現場の雰囲気を変えるのは、そんなに時間をかけられることではありませんので、できるだけ早くやりたいと思います。これは、総理の強い気持ちだと私は思います。

記者)
 小中学校で行われている「道徳の時間」についてお伺いします。昨日、教育再生会議の第一分科会で、この道徳の時間を正式な教科にする方向で議論を進めることが概ね合意されました。安倍内閣は、子供たちに高い規範意識をということを掲げておられますが、大臣としては、道徳の時間を教科に格上げすることについてどのようにお考えですか。

大臣)
 今は、道徳は正式の教科という位置づけではありません。報道各社は、言葉を選んできちんと報道してもらいたいと思いますが、教育再生会議は「徳育」と言っているのではないですか。道徳とは言ってないと思います。徳育と道徳がどう違うかは、また非常に難しいですが、戦前から道徳教育はやっていて、今も正式の科目ではありませんが、道徳という言葉を使っています。教育再生会議が言っておられるとおりになるかどうかは、何度も言っているように、安倍総理が最終的に判断されるべきことです。あるいは、内閣として判断すべきことです。我々は規範意識をきちんと身につけた子供を育てるということを言っていますので、普遍的な規範意識というのはあります。人間は勤勉でなければならないとか、他人に迷惑をかけてはいけないとか。動物の世界にも一種の群れのルールというのがあります。ましてや人間については、すべての人に共通の生きていく上でのルールのようなものは、しっかりと教えないといけないと私は思いますが、この話をどんどん突き詰めていくと、宗教とやや同じように、価値観というか、その人の思いのようなものになります。それによって評定をするのがいいか、悪いかということまで遡ってくるわけです。教育再生会議は決して悪いことは言っておられません。良いことをどんどん言っておられると思いますが、現実の今までの流れや国会の論戦、先生方の教えやすさなどを考えて、中央教育審議会でそれをどうするかを議論して、今回も3法案を国会に提出しました。私が大臣をやっている限りは、そういう、今までのルールは守っていくということでやっておりますから、私の価値観からすると、非常に良いご提案だと思いますが、私の価値観がすべての人の価値観ではないという謙虚さは持ってやらないといけません。特に行政を預かっている立場の者は、そういう自制心みたいなものが必要だと思います。

記者)
 唐突な質問で恐縮ですが、高輪の宿舎が今度閉鎖される予定ですが、大臣はどこの宿舎に入られる予定ですか。高輪宿舎への思いのようなものはありますか。

大臣)
 私はもう22年間も高輪宿舎にいましたので、高輪は非常に良いのですが、非常に辛い、残念なことなんだけれども、私の両親は既に亡くなっており、母親が亡くなってから7年になります。家内の方も両親が亡くなっており、家内は女性ばかりの家の長女ですから、お仏壇などのお世話も必要ですから、その家内の家を住みやすく作り直して、そこへ移らないといけないかと思っています。

記者)
 では、赤坂の議員宿舎へ入るということではないのですね。

大臣)
 赤坂の議員宿舎について、率直に申し上げますが、少し贅沢かどうかは、色々とご意見があると私は思います。しかし、都内に自分の家を、特に豪邸を持っている者が、自分の家があるからといって、家のない人に宿舎に入るなと言うというのは、随分特権的立場にある人の思い上がった発言だと私は思います。東京都内に家、特に大きな家を持っている人は、赤坂宿舎に入る人より遥かに恵まれた立場にいるのではないですか。そういう人は、東京都内に家がない、けれど国会へ出てきている人に対して、ある程度の思いをかけた発言をしないといけないのではないかと思います。私は、赤坂の議員宿舎に入った人をあげつらうようなことを言いたくはありません。

記者)
 昨日の中央教育審議会総会で、教員給与の関係で、年度内に、今後に向けての合意をしなければならないと大臣は仰っていましたが。

大臣)
 いいえ、私が言ったのではなく、法律にそう書いてあると言ったわけです。

記者)
 それで、今日は財務大臣とは特に何かお話しをされましたか。

大臣)
 いいえ。それは事務的に話をしていますので、そんなことまで大臣がいちいち話すことではありません。私はどんな話を事務局がしているのかはよくは知りませんが、行政改革推進法と骨太の方針と中央教育審議会の答申などを念頭に置きながら、20年度予算編成で結論を得るという話になっているのではないかと思います。その程度のことであれば、決定をしていることでも何でもありませんから、いちいち大臣が目を光らせることはないと思うけれども、勝手に譲歩したり、勝手に出来もしないことを約束するということを、大臣に連絡せずにやるのは駄目だということは言ってあります。

記者)
 今日、イラク特別措置法の延長が閣議決定されたことについて、開戦からちょうど4年ほど経ちますが、開戦時の米国の判断と開戦を支持した日本政府の当時の判断は今でも正しかったというお考えでしょうか。

大臣)
 それは安倍総理の言っておられることに閣僚として同じ意見だということです。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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